Entertainment

「SixTONESの曲が流れなくなった…」新幹線・発車メロディ、“迷惑行為”で中止に――20年続いた“TOKIOとの違い”とは

ご当地メロディが持つ文脈性

次に、日本独自の“ご当地メロディ”の文化から考えます。 蒲田駅の蒲田行進曲、高田馬場駅の鉄腕アトム、そして最近では米子駅でのOfficial髭男dismの「Pretender」などが有名です。どれも駅のある都市の土地柄、歴史、文化的な文脈から採用されている音楽です。つまり、その駅で流れる明確な理由がある音楽なのです。
1014_SixTONES②

画像:株式会社TBSラジオ プレスリリースより(PRTIMES)

SixTONESのキャンペーンは、この条件に当てはまりません。ポップアップイベントのような方法で集客効果を狙うということは、短期間で急速に消費されてしまうことも意味します。なので、どれだけ合理的であっても人の集まり方に風情がなくなり、危険行為や迷惑行為を平気で行う人たちも混じってしまう。 結果、今回のようにSixTONESとJRの双方にとって不幸な結果を招いてしまったのです。 以上を踏まえて感じることは、鉄道の駅はもっと落ち着いた場所であってほしいということです。キャンペーンを盛り上げることも大事なことです。 でも、それ以上に、様々な人生を抱えた多種多様な人たちが静かに交差する公共空間としての駅を愛する人も少なからずいると思うのです。 <文/石黒隆之>
石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4
1
2
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ