「その偉そうな態度を見ていたら無性に腹が立って……私はどうしても我慢できなくなりました。つい、『
なんで自分で探さないんですか? サプリのコーナーはあそこにあるじゃないですか。“使えない”のはあの店員さんじゃなくて、あなたの方かもしれませんね』と、割って入ってしまったんですよ」

女性がギョッとして振り向くと、愛佳さんは「それにあの店員さん、誠実に対応されてますよね?
“分からないことを確認する”って、ちゃんとした接客ですよ。怒鳴り散らすよりよっぽどまともだと思います」と続けました。
「お店は静まり返り、私は“ヤバい、やっちゃった”と内心怖くなっていました。ついあのタイミーさんに過去の自分のことを重ねて熱くなってしまった……とちょっと後悔しつつ、密かに膝がガタガタ震えていたんですよね」
ですが愛佳さんの中の“あの時、何も言えなかった自分”が、今度こそ誰かが傷つくのを見過ごしたくないとざわめいたんだそう。
すると、
近くにいたおじさんがポツリ「ほんとそれ」とつぶやきました。
「そしたらその女性は顔をそむけ『ふんっ』と言って、カゴをその場に置いて立ち去っていきました。よかったとホッとしながらそのカゴを片付けようとすると、タイミーさんが走ってきて『本当にありがとうございました』と涙目でお礼を言ってくれて……
怖かったけど、やっぱり言ってよかったと思ったんですよね」
タイミーさんはやがて笑顔になり、何度も頭を下げながら愛佳さんが帰るのを見送ってくれたそう。
「私はあの女性客のように、立場や状況を利用して相手に強く出る人を、もう見過ごしたくないと思いました。『確認します』と言えるのは、誠実に仕事をしている証拠だし、何も悪くありません。タイミーさんのように、柔軟な働き方で人手不足の現場を支えている人たちが、安心してのびのび働ける社会であってほしいと願っています」と、真っ直ぐな瞳で語る愛佳さんなのでした。
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<文・イラスト/鈴木詩子>
鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
@skippop