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2児の母・50歳女優が子どもに“あえて見せている姿”とは「残さず食べなさいと言いながら…」

子どもたちには「失敗する姿」をあえて見せる

本上まなみさん――先ほどすみっコたちのチーム感の話が出ましたが、家族で大切にしているルールなどはありますか? 本上:日頃、夫とわたし、子どもふたりの4人で暮らしているのですが、それぞれに好きなこと嫌いなこと、得意なこと苦手なことがあるよね、という話はしています。お母さんだから何でもかんでも上手くできて、間違えないということじゃないということを、あえて見せるようにしています。お母さんも失敗することはあるよと。たとえば残さず食べなさいと言いながら、自分は満腹になって多かった一品を冷蔵庫にしまったり(笑)。 そこを見られて「バレた! ごめん」と、そういうドジや失敗も見せるようにしています。そうすると失敗すると怒られはするけれど、次で挽回すればいいという感じがわかってもらえるんじゃないかと。 すみっコたちもそうですが、助けあうということが大事だと思っています。家事の分担はそれぞれ得意なことを率先してやってもらうんです。チームだから、みんなで頑張ろうって言って。息子が中学1年生になったところで、上に大学1年生になった娘がいて、姉と弟というキャラクターがはっきり出ている関係なんですよね。 姉は6歳離れているので、何でも先回りしてそつなくできるし、下の子はまだまだ初心者マークという感じでトライ&エラーを繰り返しています。それぞれ得意・不得意があるので、それを発揮する場所を作るようにして上手くやっていけたらと思っています。 ――50代を迎え、人生のモットーをうかがってもよいでしょうか? 本上:今年50歳になったのですが、昔は50歳の人ってとても大人だなと思っていたけれども、自分自身がなってみてもあまり変化がないなということは正直なところ思っていて(笑)。ただ、人生も真ん中くらいまで来たのかと思うと、今までいろいろな経験をさせていただいて学びも多かったですし、この先、蓄えた自分の力をどういうふうに発揮していければいいのかなと考えるようになりました。 仕事の面ではみなさんに喜んでいただけるものをどういうふうに作っていけばいいのか考えますね。自分自身が楽しめて、それがいい形でみなさんにも喜んでいただけるようにつなげていけたらいいなと思っています。 たとえば登山の番組にレギュラー出演していますが、私なりの山の楽しみ方を少しでもシェアしていければと思うんです。ちょっと山に行ってみようかなと思ってもらえたら嬉しいです。それから、文章を書く仕事も25年やってきているのでこれも続けたいですね。派手さはないですが、ゆっくりじっくり歩んでいけたらと思っています。

頑張り過ぎてしまう人に

本上まなみさん――同世代の方たちへ何かメッセージはありますか? 本上:頑張り過ぎちゃうことって大人でもあって、ともすれば30代・40代くらいは一番身体も動けるし、頭もよく回るし、視野も広がって、自分の能力がわかってくるから、かなりのハイペースで日々生活することができると思うんです。仕事を覚えなきゃとがむしゃらに過ごす10代、20代とはちょっと違うとうことは自分でも感じていて。 馬車馬のように生活していて、ふと、わたしだけなんでこんなに頑張っているんだろうとか、家族と住んでいてもこんなに一人でなんで汗かいてやっているんだろうと思う瞬間があると思う。社会に出ていても、いろいろ見えているだけに自分が先々のことまでやりすぎたりして、あとでこんなに疲れてと思うことがあるじゃないですか。 でも、このすみっコたちを観ると、自分ひとりだけで頑張らなくてもいいんだ、困っているとき、しんどいときは声を上げていいんだと気づくはず。立ち止まるきっかけを与えてくれる作品だと思うので、頑張り過ぎてしまう方にこそぜひ見ていただきたいです。観てちょっと癒されながら、友だちって横にいてくれたんだね、家族がいてくれたんだねって、その存在、ありがたみに気づけるきっかけになったらいいなと思っています。 <取材・文/トキタタカシ 撮影/塚本桃>
トキタタカシ
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。
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