同じくネットでバズりやすいのが、ニューヨークとさらば青春の光がMCを務める『愛のハイエナ』だ。2023年に放送をスタートしてから、セクシー女優や男優を積極的に起用し、俳優・山本裕典のホスト企画や木下優樹菜がキャバ嬢になる企画も実施。セクシー女優による恋愛リアリティーショーを展開するなど、テレビではできない攻めた企画が満載の番組である。

画像:株式会社AbemaTV プレスリリースより(PRTIMES)
そんなABEMAの中で、不動の人気を得ているのが、MCを千鳥が務める『チャンスの時間』だ。尖った企画を数多く放送し、アンジャッシュ・渡部建を不倫ネタで何度も出演させている番組としておなじみである。
再ブレイクした永野がかつてのような毒舌キャラで登場するなど、人気芸人をうまく起用し独自企画を次々と生み出している。番組内ではタバコやギャンブル、下ネタを取り扱うことが多く、いまやテレビで売れっ子となった千鳥の荒々しい姿を見られるのも魅力だ。ABEMAを代表するコンテンツで、2018年4月のスタート以来現在も続く長寿番組となっている。

画像:株式会社AbemaTV プレスリリースより(PRTIMES)
この他にも、都市伝説を取り扱う『ナオキマンの都市伝説ワイドショー』、パチンコ・パチスロ番組『パーラーカチ盛り ABEMA店』、現在令和ロマン・くるまが挑戦中の『世界の果てに、○○置いてきた』シリーズなど、配信中の番組だけでも多種多様なバラエティを制作している。では、こういった番組は何が魅力的なのだろうか?
ABEMAで配信されるバラエティは、昭和の深夜番組を彷彿とさせる“人間の欲望むき出し”な企画が多く、芸人が自由に暴れられる空気感を持っている。テレビでは許容されなくなった刺激的な世界観が、配信という舞台で復活しているのだ。
同じ配信サービスでも、Netflixなどのバラエティ番組は予算をかけて高尚な作り方をしていることが多い。下世話な部分にこそ、ABEMAの魅力があると考えられる。
11月14日に発表されたサイバーエージェントの決算報告によると、ABEMAなどを含むメディア&IP事業が黒字化したニュースが報じられた。軌道に乗ったABEMAがさらに勢いをつけるために予算を投じ、新たなバラエティ番組を生み出す可能性は高い。
近い未来、バラエティを視聴するならテレビではなくABEMAという時代が訪れるかもしれない。
<文/ゆるま小林>
ゆるま 小林
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆