体力がないから「年収100万円未満」…“虚弱に生きる”30歳女性が伝えたいこと
体力がないと、そのときの気分で動くことができない
終電:ひらりささんの“今を生きている”感って、体力がある人ならではだと思います。体力がなくて体調を崩しがちだと、先のことを考えなければいけない。勢いで今の気分で動けない。だからこそ、勢いのある生き方をしている人に憧れます。
ひらりさ:そうですね。ただし、世間にインストールされた欲に振り回されている部分もあると思います。
終電:欲がないと、他人の欲に振り回されて生きることになりがちなんですよ。身近な人に「こうしたい」って言われて、それに付き合って…みたいな。でも、ひらりささんが言うように、一見欲のある人も、自分の欲じゃなくて、他人の欲に振り回されてるのかもしれませんね。
ひらりさ:ちなみに、本が売れて何か状況は変わりましたか?(※『虚弱に生きる』は2025年12月時点で累計2万部を突破)
終電:多少収入を得たので、スーパーでの買い物でそんなに値段を気にせずに済むようにはなりました。こないだ、鯛の刺身を買ってみたんです。健康のためには魚を食べたほうがいいけど、刺身は高くてあんまり買えなかったから。そしたらアニサキスに当たったような症状になって、死ぬかと思いました(笑)。
やっとちょっと収入が入って、ちょっと贅沢しようと思って鯛の刺身を買っただけなのに、なんでこんな目に合うんだ、なんて理不尽なんだろうって。蕁麻疹も出たりして、それから調子が悪いですね。
ひらりさ:つらい! けど、作家としての運がある(笑)。
【絶対に終電を逃さない女】
1995年生まれ。大学卒業後、体力がないせいで就職できず、専業の文筆家となる。様々なWebメディアや雑誌などで、エッセイ、小説、短歌を執筆。単著に『虚弱に生きる』、『シティガール未満』、共著に『つくって食べる日々の話』がある
【ひらりさ】
平成元年、東京生まれの兼業文筆家。オタク女子ユニット「劇団雌猫」メンバーとしてデビュー。女オタク文化からフェミニズムまで、女性と現代社会にまつわる文章を執筆する。最新刊に『まだまだ大人になれません』。12/27に本屋B&Bにて歌人・穂村弘との刊行記念トークイベントを予定
<撮影・文/女子SPA!編集部>
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