
画像:TVerより
次にご紹介したいのが、『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)で主人公・勝男を演じた竹内涼真です。外見はハイスペックなのに、中身は「男は外、女は家庭」という昭和的価値観を引きずる、いまの時代で嫌われやすいタイプの男性。
自分では“完璧”に演出したプロポーズを、恋人・鮎美(夏帆)にこっぴどく断られたことをきっかけに、価値観が崩れ、自分の未熟さと向き合っていく物語を背負いました。
“ダメさ”を引き受けてこそ生まれる、人間の愛おしさ
この役の難しさは、ハイスペック男子として“完璧”さを体現しながらも欠点をさらけ出し、愛されるキャラクターに仕上げるところです。そんな難役を、竹内は持ち前のスタイルと演技力でまさに“完璧”に演じ切りました。
料理を通して自分の無知と向き合いながら、みっともなく転び、再構築をくり返していく。スマートなイメージの強い竹内が、傲慢さも無知も不甲斐なさもためらいなくさらけ出すから、勝男の痛さがちゃんと痛い。
なのにどこか憎めないのは、負けを認めた瞬間の“人間らしさ”を竹内が絶妙に表現しているからです。笑えるのに胸が熱くなる、滑稽なのに切実。そんな勝男をチャーミングに創り上げた竹内はまさに主演男優賞級といえるでしょう!
本作で改めて竹内の演技に魅了された方は、配信されたばかりのNetflix映画『10DANCE』も必見です。全く違う魅惑的なラテンダンサー役で新境地を開拓しています。竹内涼真……恐るべし。