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それぞれメリットがある一方で、デメリットも存在します。
「平屋は土地や建設コストが高くなりがちです。プライバシーと防犯性が下がる傾向にありますし、外壁面積が多くなる分、光熱費が高くなる可能性も考えられる。太陽光発電でカバーしようにも、周囲に高い建物があると太陽光発電の効率が落ちてしまうかもしれません。また、災害面のリスクでいうと、水害に弱いのも平屋のデメリットと言えるでしょう」
一方、2階建てにはどのようなデメリットが考えられるのでしょうか。
「階段を昇り降りするのは、老後が大変かもしれません。将来的に2階を使わなくなると無駄になってしまいますし、場合によってはバリアフリー対策も必要になってくると思います。あと、災害時、建物が倒壊する確率は平屋よりも2階建てのほうが高くなります。構造計算をしっかり行ったうえで、『耐震等級3』を取得するなど、耐震性能に優れた家を建てるようにしてください」
メリット・デメリットがあると、どちらを建てるといいか迷ってしまうかもしれません。平屋と2階建てはどういった人におすすめなのかも教えてもらいました。
「十分な土地面積を有効活用したい方や老後も住み続けようと考えている方、メンテナンスコストを抑えたいと考えている方は、平屋が向いています。一方で2階建は、都会に住んでいて購入できる土地がせまい方、土地と建築コストを抑えたい方、階段の昇り降りが苦にならない若い方が向いていると言えるでしょう」
費用で比較する際は、長期的な視点で考えるのが重要と指摘します。
「土地や建設費だけで比較しがちですが、本来は光熱費やメンテナンス費用、固定資産税なども考慮して、平屋と2階建てのどちらを建てるか考えたほうが安心です。そこまで考えるのはたいへんかもしれませんが、後悔しない家づくりを実現するためも、長期的な広い視点で判断するようにしましょう」