たくさんの出会いに戸惑いながらも、アスカは次々にデートを敢行します。良い人だとすっかり信じたら、実際は体目当てなんてことも。29歳を年増呼ばわりされて、悔し涙に暮れます。でもその一件で、結婚に対して慎重になり、結婚相談所へ入会するのです。
やがて“運命の人”にめぐり合い、結婚目前までいくものの、理不尽な理由で、あえなく破談。絶望したアスカは、いつしか友人にも婚活を隠すようになりました。
どん底から自暴自棄になったアスカは、ハイスペックな相手に固執していきます。選ばれなかった私、を必死にかき消すように、無謀な条件を結婚相談所の担当者にぶつけるのです。
条件のいい相手と結婚できる私、選ばれる私。アスカにとって結婚は、自分を全肯定してくれるツールと化していきました。
「随分と自己評価が高いんですね」と、アスカは担当者に笑顔で諭されてしまいます。自己評価が高いのは、悪いことではないです。ただ結婚はふたりで幸せになるもの。アスカだけが幸せな結婚、というのは成立しないのです。
「あなたは理想の相手に見合うほどの条件を持っていますか?」。正論すぎて、きつすぎて、反論もできません。アスカにも怒りが込み上げますが、怒りの正体は、実は悲しみではないでしょうか。選ばれなかった私は不幸だと、幸せになれないと、アスカは無意識に決めつけてしまったのです。