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「小4息子が学校でトラブルを…」ハワイで子育てする元テレ朝アナが実感した“日本の教育観との違い”

息子が起こした、カフェテリアでの事件

 そこで、実際に我が家で起きた、ある出来事をご紹介したいと思います。  息子は、英語が決して流暢というわけではありませんが、新しい環境にも物おじせず飛び込んでいくタイプです。転校初日から「学校、めちゃくちゃ楽しい!」と話していたかと思えば、わずか1週間後には友達とけんかをして帰ってくるほど、良くも悪くもエネルギーのある性格です。  そんな息子が、先日、学校でちょっとしたトラブルを起こしました。  ランチタイム、息子のクラスメイトがカフェテリアで大きな声を出してしまい、先生から注意を受け、ランチを取り上げられたそうです。それを見た息子は、「それほどのことではないのではないか」と感じ、先生に対して「ランチを返してあげてほしい」と抗議しました。息子は一切引かずに、どうやら先生としばらく言い合いになったようです。  その中で、息子が「なぜランチを取り上げるのか」と尋ねると、先生は「Because I said so.(そう決まっているから)」と答えたそうです。  その説明に納得できなかった息子は、思わず「You are not king!!(先生は王様じゃないだろう)」と叫んでしまい、カフェテリアは一時、ちょっとした騒ぎになったと聞きました。  結果として、息子には「次の休み時間を5分短縮し、その間は椅子に座って過ごす」というペナルティが科されました。

情状酌量の余地なし。ハワイにおける罰を与えるシステム

大木優紀さん 親としては、まず、先生に対し反抗的な態度を取った息子の行動は悪く、カッとなってヒートアップしてしまう息子の大いなる課題が露呈してしまったエピソードだと思いました。  今回の出来事を受け、きちんと反省させなければいけないと思い、家でじっくり、息子と話をしました。正直、日頃の家庭での様子を見ていても「学校でこうした行動を取ってしまうかもしれないな」と思い当たる節はあります。  一方で、今回の出来事を通して、日米の教育文化の興味深い違いを肌で感じたのも事実です。  日本では、子どもを叱る際、「どうしてそれをしてはいけないのか」という理由を説明するところから入ると思います。  今回の例で言えば、「なぜランチタイムに大声で話してはいけないのか」「そして、なぜ友達はランチを取り上げられたのか」といった背景を共有し、子ども自身が納得したうえで行動を改めていく、というプロセスが重視されます。  しかし、今回ハワイの学校では、そうした説明はほとんど無く、先生から返ってきたのは「ルールだから」というシンプルな理由だけ。息子は十分に納得できないまま、ペナルティーを受けることになりました。  アメリカでは、基本的に情状酌量よりも「ルールの遵守」が優先されます。ルールに違反した事実があれば、その内容に応じたペナルティが明確に科される。運用が非常に厳格かつ明確で、先生は時に「裁判官」のような役割をし、白黒をはっきりさせます。  実際、別のケースでは、男子生徒同士が大きなけんかを起こし、ふたりとも一日中授業を受けず、カフェテリアの清掃を命じられたことがありました。  このように、日米では、罰の与え方に大きな違いがあります。  日本の教育は、自分の言い分をある程度受け止めてもらえるという意味で、心理的安全性が高いかもしれません。しかしその反面、社会に出たときに直面する理不尽さや競争への耐性は、育ちにくいような気がします。  ハワイのように本当の意味で多様性が共存する社会では、共通のルールがなければ秩序を保つことが難しくなります。自己の権利を主張することも、必要なこととして、奨励されています。その上で、競争心などのタフさが身についていくという側面もあると思います。  日本人の感覚からすると、ややドライに映る場面もありますが、そうした仕組みが必要とされる必然性は、日常生活のなかでも実感します。
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