News
Lifestyle

「小4息子が学校でトラブルを…」ハワイで子育てする元テレ朝アナが実感した“日本の教育観との違い”

「新入生に親切にする」までポイント制。賞を与えるシステムの違い

 一方で、賞罰の「罰」だけでなく、「賞」を与える仕組みも非常に明確です。  娘が通うミドルスクールでは、宿題の提出、計算のスピード、遅刻をしないことなど、日々の良い行動に対してポイントが付与される制度があります。  その項目のなかには、「新入生に親切にする」という行動も含まれていました。  ただ、日本で育った娘は、「みんな優しいけれど、ポイント目当てな感じがして、ちょっと複雑」とこぼしていました。中学生にもなると、周囲の行動を冷静に観察する視点も育ってきます。  ハワイのこの仕組みは、「見返りを求めないこと」を美徳とする日本的価値観とは、対照的です。「阿吽(あうん)の呼吸」が成立しにくい多様な環境においては、行動の基準を明確に示し、インセンティブを設けることで秩序を保つという合理性があります。 「いい行動=得をする」という仕組みで、一定のルールと秩序が維持されているのだと感じています。  息子の学校でも、クラスごとに半年に一度、思考力が高かった子どもには「Thinker賞」、思いやりのある行動が目立った子どもには「Open Mind賞」といった表彰があります。保護者が表彰式に招かれ、比較的規模も大きく、驚きました。  一方、日本では、賞や罰を一人の教師が判断することに慎重な文化もあり、評価そのものを控えめにするケースが少なくありません。  日本に、こんな表彰制度があったら、抗議する保護者も出てきそうです。こうした点にも、日本とアメリカの教育における価値観の違いを感じます。  実際にハワイで暮らしてみて、日本社会は私たちが思っている以上に、「阿吽(あうん)の呼吸」のなかで和を大切にしながら成り立っているのだと感じるようになりました。

子どもたちの体験を通して気づく「多様性の難しさ」

大木優紀さん 子どもたちには、家庭では日本的な納得感を持って説明する、「心理的安全性」のある環境を保ちつつ、学校ではアメリカ流の契約とルールのなかで、自律性や交渉力といった“タフさ”を身につけていってほしい。理想論かもしれませんが、そんなふうに、いい意味でハイブリッドな感覚を育んでくれたらと願っています。  息子はルールの壁にぶつかり、娘は「親切にも対価が生まれる」という現実に触れました。その姿を見ていると、私自身も多くの学びを得ています。 「多様性を大切にしたい」と口にすることは簡単ですが、それを維持するためには、ルールを明確にし、運用を厳格にする必要がある。その現実を、子どもたちの体験を通してあらためて感じました。組織を運営する立場としても、多くの気づきをもらっています。 ……とはいえ、まずは息子よ、これ以上、学校でトラブルを起こさないでくれ、というのが本音です(笑)。 【Voicyで聴く】⇒音声版「大木優紀の旅の恥はかき捨てて」 <文/大木優紀>
大木優紀
1980年生まれ。2003年にテレビ朝日に入社し、アナウンサーとして報道情報、スポーツ、バラエティーと幅広く担当。21年末に退社し、令和トラベルに転職。旅行アプリ『NEWT(ニュート)』のPRに奮闘中。2児の母
1
2
3
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ