News

「兄弟の中で私だけを無視」突然始まった父からの虐待。24歳・虐待サバイバーが明かす“後遺症”の数々とは<前編>

母や姉は「味方のふりをしていただけ」

山本楓さん カウンセリングでは、家族関係や生育歴、両親との関係をはじめ、自身の半生を事細かにヒアリングされる。それらの聞き取りをまとめたカルテを見ると、改めて自身が受けた境遇が“普通ではない”と認識する。 「カウンセリングをきっかけに、母や姉の行為も心理的虐待にあたると知ったことで、強いショックを受けました。皮肉にもそこで初めて、自分の味方だと思っていた家族は、味方のふりをしていただけなのだと気づくのです。 そこから次第に、人間不信になっていきました。私に親切にしてくれる人に対しても不信感を抱いたり、母や姉を妄信していた自分の愚かさに落ち込んだりして、塞ぎ込んでいくようになりました」  もちろん一般論として、カウンセリングには一定の効果が期待できる。感情の安定や整理、ストレス対処能力の向上など、うつや自殺などの健康リスクが抑制される研究結果が実証されている。  一方で、カウンセリングでは、自身の過去と向き合う作業を伴う。山本さんがショックを受けたこともまた、つらい過去を思い出して気分が落ち込んだ状態とも言える。  ただその状態は、親や姉が異常だったという正常な認知を取り戻す過程でもある。一時的に絶望や不安が噴き出すことは、傷を傷だと正しく認識できるようになった証でもあるのかもしれない。  通院を重ねることで、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の診断も下りた。虐待による後遺症を自覚していくなか、現在はどのように向き合っているのか。後編に続く。 【後編を読む】⇒「家族の話をすると記憶が消える」「手に熱湯をかけても何も感じない」24歳・虐待サバイバーが語る“PTSDのリアル” <取材・文/佐藤隼秀>
1
2
3
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ