『THEバトルSHOW』でパブリックイメージを更新
『THEバトルSHOW』と『VS嵐』の決定的な違いは、後者において櫻井さんは常に嵐チームの一員で、ゲストチームと対決しているという点。ゲーム進行や作戦面において声をかけてチームを引っ張る場面も多く、嵐チームの精神的な支柱だったのです。
『THEバトルSHOW』では、櫻井さんがどちらのチームにとっても味方であり敵であることで、ゲームの行方を分からなくさせています。初回では、Snow Man・宮舘涼太さんとの直接対決において、櫻井さんはスターらしからぬ弱腰を覗かせたり、滑稽なまでの必死さを露呈しつつも、最終的には華麗な活躍を見せてしまう。「櫻井チャンス」を使うことが「吉と出るか凶と出るか分からない」不安定さこそが、番組に予測不能な緊張感と高揚感をもたらしていました。
総じて櫻井さんは、俯瞰して場を回す主宰者としての安定感を持ちながら、同時に全体を活かす立ち回りができる稀有なプレイヤーでもある。自分が目立つことだけを考えず、周りの強みを引き出す動きは、長年のグループ活動で培われた真骨頂と言えるでしょう。
彼は今、これまでの「司会の櫻井翔」というパブリックイメージを、自らプレイヤーとして戦うことで更新し続けています。

画像:『放送局占拠』日本テレビ公式サイト
さらに、嵐活動休止中には、ドラマ『占拠シリーズ』(日本テレビ系)で不器用なヒーローを、『笑うマトリョーシカ』(TBS系)で不気味な存在感を放つ政治家役を好演。バラエティで見せる予測不能な緊張感は、役者としての危うい演技にも繋がっているようです。
進行役として、プレイヤーとして、俳優として、表現者の魅力に溢れた櫻井さんは、グループ活動終了後も勢いを継続しそうです。
<文/こじらぶ>
こじらぶ
ライター・コラムニスト。上智大学大学院外国語学研究科修了・言語学修士。ドラマ、男性&女性アイドル、スポーツ、エンタメ全般から時事ネタまで。俳優、アイドルなどのインタビューも。X:
@kojirabu0419