
さらに今回私は、もうひとつ驚いたことがありました。
正直に言えば、私が出会ったお二人はとてもとても魅力的。わかりやすくいえば「モテそう」。私の勝手な先入観では、「これだけ素敵なら自然な出会いがたくさんあるのでは」なんて不躾にも思ってしまったのです。
けれども、そういうことではないのですよね。魅力的な人であっても、自ら出会いを探しに行かなければならない時代なのです。恋愛を始めること自体に、時間も労力もかけなくてはならない。
そう考えると、最近耳にする「子どもは最早ぜいたく品」という言葉だけではなく、もしかすると恋愛そのものですらぜいたく品になりつつあるのではないかなんて思えてきたり。
この話をアメリカ人男性と国際結婚している知り合いに何の気なしにつぶやいたところ、
「わかる! うちの娘もマッチングアプリで知り合った人と付き合っていたわ! アメリカってあんなに広くて人口も多いのに、みーんなマッチングアプリ使っているんだよね」とのこと!
そうなのです。アメリカほどの広さがあっても、いやむしろ広いからこそなのか……上手く男女がマッチするのが結構至難の業なんだそう。
恋愛をしたくない人が増えたわけではありませんよね。むしろ、多くの人が出会いを求めており、その方法の主流が変わり始め、かつ恋愛に踏み出すためのコストが、昔よりも高くなっている。そんな気がするのです。
ちなみにその相席した二人の後日談を少し耳にしましたが、3回目の食事を終えさらに出かける回数を重ねた今も、「楽しくお食事にいく友人関係です」とのこと。
なるほど、3回目にこだわっていたのは私だけでしたか……。急いで答えを出さなくてもいい、というところも何だか現代的な感じ。何回目だから明確に白黒をつけないと、という形式に縛られすぎないところがさすが。
ちなみにちなみに、例のアメリカ人の友人のお嬢さん、マッチングアプリで知り合った方とはお別れし、今は大学時代の友人と数年越しに接近しているんだとか!!! 昔は恋愛対象じゃなかったはずなのに、時を経て「出会い直した」んだそう。
数々マッチングしてみたけどもしっくり行かず、最終的にはひょんなきっかけで再会した学生時代の友人とスルスルと上手くいく、なんていうこんな現実もあったりするんだから恋愛って不思議ですよね。
さまざまな側面から、昔よりぜいたく品になり始めている「恋愛」。いつの時代も共通して求められるのはちょっとの勇気だと思うのですが、その勇気を出すか出さないかの匙加減が恋愛の醍醐味だと私は思うんだけどな。
たった一度の人生、別に当たって砕けたっていいじゃない! なんて無責任なことをいう私はやっぱり昭和の生き物なんでしょうね。
<文/アンヌ遙香>
アンヌ遙香
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道札幌出身、在住。現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。北海道大学大学院博士後期課程在籍中。文筆家。ポッドキャスト『
アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram:
@aromatherapyanne