ようやく満足した義母は、その場でスマホを操作しながら「娘みたいに可愛いお嫁ちゃんと幸せショッピングデート(ハートマーク)本当に仲良しな嫁姑です」と投稿しました。

「すると数分後、義母の動きがピタッと止まり笑顔が消えたんですよ」
どうやらコメントがついたらしく、義母は険しい顔で画面をスクロールしていたそう。
義母の投稿のコメント欄には「ガラスに映っていて、お嫁さんをこき使っているのバレちゃいますよ。消した方が……」「ドンマイ。今度はちゃんと写真のチェックしてからアップだね」といったコメントが次々と書き込まれていました。
「私も自分のスマホで義母の投稿をよく見てみると……何枚かある投稿写真の1枚の後ろ、店舗の大きなガラスに、大量の紙袋を両腕に抱えながら、義母を撮影している私の姿がしっかり映り込んでいたんです」
しかも美保さんは疲れ切った顔で、義母だけが満面の笑み。真実の姿がそこにはありました。
「優しく注意するようなコメントに紛れて、『仲良し嫁姑演出、信じている人いなかったよ』と批判的なものもありました。義母は顔を真っ赤にして『何これ!? 性格悪すぎ!!』とブチ切れていましたね」

義母はスマホを握りしめながら「たまたま荷物持ってただけじゃない!! 勝手に決めつけて! みんな嫉妬してるのよ!」と大声でまくし立てていたそう。
その時、美保さんは「お義母さんは自分の“優しい義母アピール”をみんなが本気で信じていると思ってたんだ」と感じ、少し哀れに思いました。
すると近くを通りかかった女子高生2人組が、義母の声を聞いて顔を見合わせ「いや、さっきからずっと持たせてたじゃん」とクスクス笑ったそう。
「それが決定打になったのか、義母は口を半開きにしたまま硬直し、無言でスマホ画面を見つめたあと、慌てて投稿を削除すると『これまるごと消すの、どうやるの?』と私に聞いてきたんですよ」
美保さんがアカウント削除の方法を教えると、義母は数分悩んだ末、本当にアカウントを削除。それ以来、インスタへの情熱はすっかり冷めたようで、美保さんを休日に呼び出すこともなくなったそう。
「義母には悪いけど、あのガラスは最高に良い仕事をしてくれましたね」と微笑む美保さんなのでした。
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<文・イラスト/鈴木詩子>