桓騎という元野盗の将軍は、非道でありながら、どこか色気が同居する矛盾の塊です。過去に囚われ、根底には優しさがあり、残虐行為には意味があった。
初期『池袋ウエストゲートパーク』の金髪に鼻ピアス姿で体現した野性味、中期『医龍』の天才外科医で見せたカリスマ性、そして復帰後の成熟した深み。坂口さんが歩んできたキャリアのすべてが、この役で一つに繋がろうとしているのです。

画像: Blu-ray BOX「医龍4~Team Medical Dragon~」(ポニーキャニオン)
今の時代に、人々が惹かれるのはほころびのない「完成された美」ではありません。困難を乗り越え、その経験を刻み込んだ「生活感のある格好よさ」です。
坂口さんが支持され続ける最大の理由。それは昔と変わらないからではなく、難病や挫折を経て変わってしまった自分を隠さず、それを深みとして表現に変えた誠実さにあるのではないでしょうか。
50歳という節目に、あえて下劣な悪人ともとれる難役に挑み、賛否に立ち向かう姿は、単なる俳優の復帰劇という枠を超えています。
それは、人生は何度でも「再設計」が可能であり、遠回りした時間こそが、いつか自分を助ける力になるというエールにさえ思えるのです。
<文/こじらぶ>
こじらぶ
ライター・コラムニスト。上智大学大学院外国語学研究科修了・言語学修士。ドラマ、男性&女性アイドル、スポーツ、エンタメ全般から時事ネタまで。俳優、アイドルなどのインタビューも。X:
@kojirabu0419