けれど今にして思えば、主演にこだわらずに主人公を脇で支えるバイプレイヤーもこなしていくというスタンスが、現在の再ブレイクに繋がっているように感じます。
今年1月期の『リブート』では、鈴木亮平さん演じる主人公が超高度な整形手術で顔を変える前の姿を好演しました。要するに主演の鈴木さんと“2人1役”を演じるという難役でしたが、松山さんだからこそ違和感なく受け入れられたのではないでしょうか。
今年4月期の『時すでにおスシ!?』は永作博美さんが演じた主人公が通う鮨アカデミーの堅物講師役。永作さん・松山さんと言えば、2008年にダブル主演した『人のセックスを笑うな』は筆者が好きな映画でした。『人のセックスを笑うな』では歳の差男女の不倫愛をポップに描くというセンセーショナルな作品だったのですが、『時すでにおスシ!?』では“恋愛未満”の関係性が描かれ、良い意味でまた違った2人の掛け合いが楽しめたのです。
そして現在放送中の『Tシャツが乾くまで』は蒼井優さん演じる主人公の夫役。この喫茶店店主の夫は物腰柔らかな人たらしで、かなりモテそうな雰囲気をまとったキャラクター。『時すでにおスシ!?』の堅物講師は髪をアップにしており、『Tシャツが乾くまで』の夫は前髪を下ろしているというビジュの違いもあり、前クールとのギャップが凄まじい。間を開けずにここまで印象の違う役柄を演じ分けてしまうのは、さすがの一言です。
個人的には、2021年のドラマ『日本沈没-希望のひと-』(TBS系)、2023年のドラマ『100万回 言えばよかった』(TBS系)、2025年のドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)などで松山さんが演じていた、“主人公を支えるポジション”が彼に激ハマりしていたと感じます。
もちろん主演を張る演技力も備えているのは間違いないので、これからも主演・助演にこだわらず、俳優・松山ケンイチにしか演じられない役柄に挑戦していってもらいたいものです。
<文/堺屋大地>
堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』(扶桑社)で恋愛コラム連載、『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載、『コクハク』(日刊現代)で芸能コラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。公式SNS(X)は
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