NHKの朝ドラと大河ドラマには“国民的ドラマ枠”というイメージがあり、その伝統ある看板枠で主演することは国民的俳優の座に大きく近づくことを意味します。
もっと忌憚(きたん)なく言うなら、NHKの大作ドラマで主演することは役者として“ハク”になるのは間違いなく、ドラマ業界・映画業界においての俳優としてのランクが1段階か2段階上がることになるのです。
出演作決定までは本人の意向と所属事務所の思惑の両方が働くでしょうが、いずれにしてもその俳優のブランディングという意味で考えると、“朝ドラ後”“大河後”の民放ドラマの作品選びは、非常に重要になることは想像に難くありません。

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そんなNHKの大作主演後の“ハク”に見合うのが、医療ドラマというジャンル、医師役という主人公なのではないでしょうか。
医療ドラマは人の生死に向き合うシリアスなストーリーで、医者という職業は社会的に地位が高い肩書きのため、役者としてのランクが上がり本格的に国民的俳優を目指すフェーズで演じるのにちょうどいいのでしょう。
また、朝ドラや大河ドラマは中高年層の視聴者が多いですが、医療ものを好む中高年のドラマウォッチャーは多いため、NHK主演でついたファンをがっつり囲い込もうという算段もあったのかもしれません。
誤解を恐れずに言うなら、今田美桜さん、橋本環奈さん、松本潤さん、吉沢亮さんの4人は、ブレイク当時にビジュアルの良さで世間からの注目を集めていたタイプ。
アイドル的な人気に背中を押されつつ、俳優業でキャリアを積み重ねてきたという共通点がありました。彼・彼女らは演技力が高く評価される以前に、ビジュ先行でお茶の間に名前が浸透していった背景があったわけです。
ですからその先入観を覆して、“演技巧者の俳優”というイメージを持ってもらうために、医療ものという硬派なジャンルが適していたのではないでしょうか。

吉沢亮主演『PICU 小児集中治療室』DVD-BOX
吉沢亮さんは2025年公開の映画『国宝』に主演し、同作が実写邦画興行収入において歴代1位となったのはご存知のとおり。彼は2022年の『PICU』以来、連ドラ主演はしていないのですが、名実ともに“国民的俳優になった”と言えるでしょう。
結果論かもしれませんが、吉沢さんのケースで見ると、NHKの大作ドラマ主演後に選んだ医療ドラマの医師役が、国民的俳優へ至るための絶妙なステップになっていたように思えます。
今後も“朝ドラ後初”・“大河後初”の民放連ドラ主演作で、医者役を選ぶ俳優は頻繁に出てくるかもしれません。
<文/堺屋大地>
堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』(扶桑社)で恋愛コラム連載、『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載、『コクハク』(日刊現代)で芸能コラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。公式SNS(X)は
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