樹生(中島歩)と咲子の恋模様の決着に首を傾げている人もいた。樹生は咲子と同棲を持ちかけ、咲子も驚きながらもまんざらでもない表情を見せるなど、2人は良い感じだった。
ただ、充が帰還して以降は樹生の存在感は縮小。とはいえ、最終回にかつて充が経営していた喫茶店「ひこうき」にて、充と思われる人物からの電話を受けている時、晴れ晴れとした表情を浮かべている咲子を、樹生はどこか切なそうに眺めていた。
樹生は咲子から女友達認定を受けていたが、この距離感が樹生にとって喜ばしいことなのかどうかはわからない。それでも、あずさを亡くし、両親とは距離を置きたい樹生にとって、自身と1人息子の味方になってくれる咲子が近くにいるのはありがたいように思う。性愛に由来しない男女2人の幸福だってあるはずだ。
もちろん、男女の恋の行方を破局か、交際か、という二択ではなく、また異なる“男女の友情”に着地したことに収まりの悪さを覚えるのも無理もない。とはいえ、「ゴールがその2つしかない」と思い込ませてきた主犯格の中には間違いなく“テレビドラマ”がいる。
本作では、当初あずさと充に不倫の疑いがかけられていたが、それでも男女の友情が成立することが丁寧に描かれてきた。テレビドラマに植え付けられた固定観念を、テレビドラマである本作を通してアップデートしても良いのでは。