――事故後、今でも後遺症はありますか?
ゆにこ:走れなくなりましたね。信号がチカチカしてるから走ろうとすると痛くて走りきれないんです。夫はアメフトで両膝の前十字靭帯を切って、いつか歩けなくなるかもと言われてるので、筋トレしているんですね。だから私もがんばろうとは思うのですが……。事故から1年半後に9本のボルトを抜いた再手術後、夫に「リハビリや!」と沖縄の伊江島で約300段の階段を上らされましたが、もう死にかけました(苦笑)。
――300段の階段は普通でもキツいですよね。
ゆにこ:すぐに膝が痛くなってしまって。降りる時が特にキツいんですよね。膝が腫れてしまいました。自転車も、30分以上漕いでいると痛くなります。沖縄でバッティングセンターに行っても、左足の踏み込みが痛くて2打席が限界。あと大学からずっとやっていたテニスも本当に痛い。激しいスポーツはもうほとんどできないですね。

大きな手術痕はいまでも残っている
――大ケガをした足の膝は動かしたほうがいいんですか?
ゆにこ:もはやよくわからないんです。「動かしたほうがいい」という人もいれば、「痛いなら無理して動かすな」という人もいるので、試行錯誤です。医師からは「完治はしない」と言われ、通院の最後の日に「もうやることはない」と言われましたね。でもいつかカモシカのように走りたいから、整体、鍼、カイロプラクティックなどに今も通っています。

手術前のゆにこさん
――今回漫画を読んで、どんな感想が届いていますか?
ゆにこ:鉄道会社に勤めている友達も問題意識を持ってくれてると言ってくれましたし、違う鉄道会社の方も一気に読んで「本当に問題だし、どんな現場でも起こり得ること」と言ってくれました。今回、会社を相手に民事調停まで行いましたが、友人・知人のように一人の人間として会話ができていたらよかったのになと思いました。
――駅員さんが、目の前にいるケガ人より、自分の立場ばかり気にして、何もやってくれないのがちょっとひどかったですよね。
ゆにこ:そうなんです。事故の後、救急隊、刑事さん、お医者さんみんなが「大変でしたね」って親身に声をかけてくれたんですよ。私は駅員さんともこういう会話がただしたかっただけなんです。もう本当にそれだけなんです。
事故後に病院から駅に電話しても、できる・できないとらちのあかないやりとりをした後に、突然「お身体の具合どうですか」とか「お気の毒に」とか言われても、まるで締めの言葉をマニュアル通りに言ってるようで……心にもないようなこと言われたときのダメージってものすごく大きいんですよね。いや、もう、電話を切るたびにアイスとか食べないとやってられませんでした(笑)。
――なんかそのモヤモヤがすごく感情移入できるなと思いました。
ゆにこ:私は仕事で常日頃「モヤモヤに蓋をしたらダメですよ」とクライアント様に言っているせいか、改めて、できた漫画を読んでみると、私自身モヤモヤと向かい続けた記録だったのかなと思いました。この漫画のちょっと弱いところは、私自身がモヤモヤし続けているばかりで、激しく腹を立てていないので、読み手としては「どうしたいの?!」とイライラするかもしれません。
当時の私は、それほど強い問題意識もなく、色んな人のアドバイスをもとに「とりあえず電話してみよう」と行動しては壁にぶつかり、またモヤモヤしながらも、しつこく「ダメモトで電話してみよう」を繰り返していただけなので……。