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ムカつく上司へ不満をやんわり伝えるメール術

 世の中には、理不尽でムカつく上司がわんさかいます。面と向かって文句を言いたいけれど、立場上ぐっとガマン。そんなストレスフルな日々はNO MORE! メールでチクッと懲らしめてやりましょう。ビジネスメールの専門家である直井章子さんにアドバイスを伺いました。

”上司への不満”5つのケース



――ケース(1)【残業】
定時に帰っている人は山程いるのに、毎日残業している私にばかり仕事を振ってくる。私だって早く帰りたい!


メール,上司「大前提として、メールで不満を伝えようとすると、事が大きくなる場合が多いんです。文字にすると表情が分からず、相手にストレートに伝わってしまう。このケースでは、“仕事をたくさん振られる=任せられる部下だと信頼されている”と捉えてみましょう。

 『私ばかり……』と不満を伝えるのではなく、まずは『私を評価してくれて嬉しい』と前置きした上で、『可能であれば、事前に指示を頂けると、より高いパフォーマンスを発揮できます』といった書き方をすると、“デキる部下”としての印象が強くなりますね」

――ケース(2)【プライベートの誘い】
マラソンマニアの上司に誘われて、休日に皇居の周りを走らされている。イヤだけど断れない……


「“気を持たせ過ぎない”ことが大切です。『走るのがニガテです』とはっきり伝えるのがいいかも知れません。勘のいい上司だと(あんまり行きたくないのかな)と察してくれますが、何度もめげずに誘ってくる人もいますよね(笑)。

 飲み会の誘いなどでも、一番よくないのは『行けたら行く』という曖昧な返事です。メールだとお互いの“行ける可能性”に温度差が生じてしまいがちなので、具体的に『本日は、○○の業務に時間がかかりそうなので、行くことができません』といった事実や、『○○の業務が終われば行きたいのですが、このペースだと厳しいかも知れません』といった予測を伝えるといいでしょう」

――ケース(3)【気分屋】
プライベートが上手くいっている時は優しいけど、そうでない時はイライラ怒りっぽくて疲れる上司……


「タイミングを図ることです。タイミングが悪いと、どんなに上手いメールでも伝わらない。相手の機嫌が悪くなる要因のひとつに、“タイミングが悪い”ということが挙げられます。同じ職場にいるのであれば、上司が“今は忙しい”といったことを読み取れますよね。

 直接声をかける方が良い場合もあります。一言『メールを送りました』と言うだけでも違いますね。直接声をかけると、メール以上に記憶に残ります」

――ケース(4)【ルーズ】
とにかく時間を守らず、リスケも多い。忙しいのはわかるが、こっちの予定が立てにくくて困る上司


「こちらから期限をはっきりと聞いておきましょう。そうすればリスケをされても、“前もってスケジュールを確認してある”ということで優位に立てます。ルーズな上司はこちらが管理してあげるのも手ですね。『手が空いた時にやっておいて』といった曖昧な指示に対しては、こちらから〆切を提案する。

 その場合、自分の都合を押し付ける伝え方をすると上司は反感を覚える。例えば金曜日までと頼まれていたのに、『やっぱり木曜までに』と急に言われた時、『金曜日までと言われたので、できません』ではなく、『木曜日であれば8割できますが、それでもいいですか?』『どなたかお手伝いして頂ければできます』といった歩み寄りをするといいですね」

――ケース(5)【調子がいい】
私が成功させたプロジェクトなのに、上の人には「自分がやった」とちゃっかり報告した上司


「この場合、上司のさらに上の方への“私が頑張りましたアピール”はちょっと危険です。あくまで直属の上司を立てる必要があります。

 自分からアピールするより、第三者の言葉を使うといいですね。『お客様から、今回の資料は良かったという声を頂きました』『売上が○○%アップしたと喜んで頂きました』など、“私がこう思う”ではなく、あくまで“他の人からの評価を皆さんと共有したい”といったスタンスだと嫌味になりません。

 裏ワザとしては、別の部署の先輩などに、頑張ったことをさりげなく“耳に入れておく”。それが何かしらの形で上の人に伝わることもあります」

キーポイントは、「ゴールからの逆算」



「なによりも大切なのは、明確なゴールを定めることです。

 ビジネスにおいて、たとえ上司に腹が立っても、ゴールは“喧嘩をすること”ではないですよね。一方的に感情をぶつけて、結果ギクシャクして終わり、というケースが非常に多いんです。

 直接は言いにくいことを上司に伝えたい時、メールは有効な手段ではあります。しかし“不満をぶつけること自体”が目的の時は、メールはやめた方がいい。不満や愚痴だけなら、同僚や友達に言えばいいと思うんです。そこを敢えて上司に伝える必要があるのかどうか。その場合、『改善してほしい』とか『もっと気持ちよく仕事をしたい』とか、目的を明確にすることが大切です」

「不満を包み隠さずメールで送ってくれ」と上司に言われてボロクソぶちまけたところ、険悪極まりない感じになったという例もあります(記者体験談)。ここはひとつ、メール術を活用して、「大人な対応」という名の“制裁”を加えようではありませんか!

【直井章子(なおいしょうこ)】
ビジネスメール教育の専門企業アイ・コミュニケーションにて、メール教育プログラムの開発から研修・講演での講師、情報発信まで幅広く携わる。「日経WOMAN」や「日経ビジネスAssocie」などメディア掲載多数。
■セミナー・講演「ビジネスメールコミュニケーション講座」
http://business-mail.jp/lecture/about.html
■連載「ビジネスメール事件簿」
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100427/1024537/
■著書『ビジネスメールの常識・非常識』(日経BP社)
http://www.sc-p.jp/prof/book/000547.html

<TEXT/尾崎ムギ子 PHOTO/Sergey Mikhaylov>




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