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恐怖の“お正月太り”…そのメカニズムと対策

ついつい食べすぎてしまうお正月。体も頭も動かさないうえに、普段よりも食べ物が身近にあるせいで、三が日が終わった頃には一気に体重が増えてしまうという経験がある人も少なくないはず。そこで、お正月明けに後悔しないため、正月太りに陥らないためのポイントを「脳と体の仕組みから絶対にリバウンドしないダイエット法」を解説した書籍『何をやっても痩せないのは脳の使い方をまちがえていたから』がロングセラー中の精神科医の奥田弘美氏に伺いました。 恐怖の“お正月太り”……そのメカニズムと対策――そもそも、なぜ大してカロリーも消費していないはずなのにお正月は食べすぎてしまうのでしょうか? 「『目の前にいつも食べ物があるので、ゆっくりダラダラと食べてしまう』という正月特有の状態に原因があります。生体面から解説すると、胃に食べ物が入ってくることで胃や腸の運動が活発となり、おおよそ10分後ほどで食べ物は胃から十二指腸、小腸へと送り出されます。そのため同じ量の食べ物を一気に食べるより、小分けにして胃に少しずつ長時間かけて入れていくほうが、胃には空きスペースが常にあるために『お腹いっぱい』という感じにくく、普段よりたくさんの量を食べ過ぎてしまうのです。食べ物の種類にもよりますが、1~3時間ぐらいで胃の中の食べ物はすべて初期消化が終了し、腸へ送り出されます。消化の良いものほど、早く胃袋から消化されて出ていってしまうのです。特に正月によく食べる餅、麺類、スナック類、せんべい類などは早く初期消化されて腸へ出ていき、あっという間にまた空腹感を感じるようになってしまいます」 ――つまり、一度の食事や間食が小量なために、逆に太ることになってしまうということ? 「そうなんです、なぜなら、私たちの満腹感は血糖値だけじゃなく、『胃に詰まった食べ物のかさ』でも感じているから。確かに無茶苦茶な早食いはよろしくありませんが、あまりにも時間をかけてダラダラ食べてしまうのも実はよくないのです。もちろん食べ物を良く噛んで食べることは大切です。食べ物が消化されて血糖値が上がるまでには、食べ始めてから平均20分ほどはかかるといわれています。しかも、食べ物をよくかんで食べれば食べるほど、血糖値も早めに上がっていくので、満腹感が得やすい。だから『食べ物をしっかりよくかんで食べましょう』となるわけです。しかし、前述の通り、時間をだらだらかけて食べてしまうと、常に胃に空きスペースができてしまうため、結果的にはドカ食いしたとの変わらないくらいのカロリーになってしまいます」 ――確かにダラダラと食べると、あとで驚くほど食べてしまっていることがあります……。 「まさに正月太りとは、このように休憩を挟みながら何時間もかけて、少量ずつ、でもトータルでは大量の食べ物を胃に入れ続けたことが原因なのです。1500~2000キロカロリーもあるフレンチのフルコースを女性でも完食できてしまうのも同じメカニズム。デザートまで含めて、一度にドンっ!!と出てきてしまうと、普通の食事量の人なら、半分~3分の2ぐらいしか食べられないはずですが、時間をかけて少量ずつ食べるからこそ、胃の中に空きスペースが常に残り、かつゆっくりと食べるために食物が次々と腸に送り出されていくので、『お腹いっぱい』にならずに、結果的に恐ろしいほどの高カロリーな食べ物を多量に食べきってしまえるのです」 ――わかりました! ダラダラと食べずに、いつも通り食事の時間を区切るのが一番ということですね。 「はい、正月の雰囲気につられてダラダラ食べてしまわないように気をつけましょう。こたつの上や食卓などには食事の時間以外は食べものを出しっぱなしにしない、または食べ物のある場所に近づかないこともできるだけ実践してください。そして何よりも私の提唱する脳ダイエットの最大の法則『お腹が空ききってから、次の食べものを食べる』ことを守れば、正月太りは確実に予防できますよ」 【奥田弘美氏】 精神科医師(精神保健指定医)、日本医師会認定産業医、作家。少女時代に肥満のため「ブー」というあだ名を付けられ傷ついた経験から、「どうしたら太らない食べ方ができるか?」というテーマで若い頃からダイエット研究に熱中。医師として安全なダイエット法を吟味しながら、精神科医としての視点で「太らない人の食べ方」を考察した結果、「考え方」、「脳の使い方」に大きな違いがあることに気づき独自のダイエット法を体系づける。本書のダイエット法を自ら実践した結果、2児の出産を経て45 歳を過ぎてもBMI20、洋服は常にS~M サイズの健康スリム体型を維持している。現在は精神科医・産業医として都内20 か所の企業にて、日々多数のビジネスパーソンの心身のトータルケアを行うほか、銀座スキンクリニックではカウンセリングルームを持ちメンタルケアコーチングやダイエットコーチングを実施。心のストレスケアとともに行う安全で実践しやすいダイエット法には定評があり、ビジネスパーソンのメタボ解消や女性の健康ダイエットを日々サポートしている <取材・文/女子SPA!取材班>
女子SPA!編集部
大人女性のホンネに向き合う!をモットーに日々奮闘しています。メンバーはコチラ。twitter:@joshispa、Instagram:@joshispa
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