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アラサーから「終活」を始める独女が増加中

 婚活、妊活、美活……などなど、昨今の特に女性にはさまざまな“活動”が付きまといますが、そのなかでも最近、人生の最後を迎えるための活動、いわゆる「終活」をする女性も増えているようです。エンディングメッセージ普及協会理事長で、終活アドバイスを行っている安田まゆみさんが話します。 「’11年の震災以来、多くの人が、『明日があるかどうかは不確定だ』ということを身を持って感じました。大震災の余波はずいぶんとおさまってきてしまいましたが、やっぱりいつどこで自分がどうなるかなんてわからないですし、特に一人暮らしの女性であれば、いざというときのために自分の身の回りのことを誰かに残しておく必要があると思うんです。それを実践する人も増えています」  そこで、まずとりかかるのが、「自分の死後はこうしてほしい」という思いを綴る、「エンディングノート」の作成だとか。
エンディングノート

記者も実践してみたエンディングノートの記入。項目がけっこう細かく分かれています

「私たち『エンディングメッセージ普及協会』が作ったエンディングノートでは、お墓や葬儀のことなど一般的なエンディングノートの内容に加え、自分が亡くなった際のPCのデータをどうするか、フェイスブックやツイッターなどのアカウントの処理方法などを記載する部分も設けています。どうしても中身を残してほしいものや、『これには触れずに捨ててほしい!』というものについては、きちんと記載しておくといいと思いますよ。誰だって、他人に見られたくない恥ずかしい写真の1枚や2枚はあるんじゃないですか(笑)。それに、人が亡くなるっていうのは、残された人にとっては結構大変なことなんです。残った人に、自分が死んでからも迷惑をかけず幸せに過ごしてもらいたい、という気持ちも込めてエンディングノートを書いてほしいですね」  実際に記者も自分の部屋をよ~く見渡すと、確かに死んでも他人に見られたくないモノがちらほら出てきます……。学生時代、思わず買ってしまったけれど捨てられないきわどい黒サンタのコスプレや、好きな人への思いを綴った痛い日記。さらに(一応仕事で購入した)バイブも……。自分の死後にコレを見た親が何と言うか、想像しただけでもこっぱずかしい!! 確かに終活の必要性は実感しますが、とはいえ、「エンディングノート」を作ろうにも、なにから書き始めればいいのか、よくわからないんですが……? 「何を書いたらいいかわからない、たとえ書き始めても、途中で気持ちが変わるかもしれないから書き出せない、そうした人の声を聴いて、私たちは“エンディングノートは鉛筆で書いて”と呼びかけています。やっぱりこうして欲しい、と気が変わることは誰にだってありますし、自分の置かれた状況も変わります。鉛筆で書いていれば、いくらでも書き直せますからね」  また、安田さんが製作に携わったエンディングノートには、「今後20年間の自分がやりたいこと」を1年ごとに記入するページもあります。実際に記入してみたところ、「結婚は後10年以内にしたい!」「子どもは35歳までに欲しいかも」という、具体的な思いが込み上げてきました。実現可能かは別ですが……。最後に安田さんは、エンディングノートの捉え方についてこう語ってくれました。 「エンディングノートは、死ぬことだけでなく、これから先の長い将来のライフデザインを考えるものでもあるんです。今から何年後に自分がどうありたいのか、そのためにはどういう生き方をすればいいかという計画ができます。忙しくて、日々目の前のことに追われてしまっている方なら尚更、自分が何をやりたいのかを見つめ直すいい時間になるでしょう」  ときが過ぎるのはあっという間。人生を楽しくすることが、終活の目的であるようです。 <取材・文・撮影/槍田 創> 【安田まゆみ】 マネーセラピスト。「元気が出るお金の相談所」所長で「離婚後のお金相談」コーナーのNO.1。エンディングメッセージ普及協会理事長で、終活アドバイスも積極的に行っている。FB(https://www.facebook.com/MoneySoudan.y.Mayumi)、HP(http://www.my-fp.net
槍田創
学生時代は短距離連覇の敵なし陸上女王。名門青学陸上部に進学するも、「エロ」と「女子」に目覚め、挫折。持ち前の好奇心で取材に邁進する日々
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