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パワハラ上司が嫌でたまらない【イケメン僧侶の人生相談】

 爆笑問題とお坊さんたちのかけあいが「面白くてためになる」と話題の人気番組「ぶっちゃけ寺」(テレビ朝日系)でもおなじみ、大來尚順さん。なんと、美坊主なだけでなく、ハーバード大学神学部で研究員として学んだ国際派のお坊さんなのです! 難しい仏教用語を簡単英語でわかりやすく説明した初の著書『英語でブッダ』を上梓したばかり。  山口県の浄土真宗のお寺に生まれ育ち、いまや通訳・翻訳家としても国内外で仏教を広める根っからの仏教男子な大來さんが、あなたの煩悩に「仏教用語」をまじえて優しくアドバイスします。

上司に会う毎日がつらい

<お悩み>==========  職場の人間関係で悩んでいます。主だったのは上司のパワハラです。感性が古臭くて男尊女卑。新しい提案を「わからない」で一蹴し、いつも威圧的な態度をされるのでモチベーションが上がりません。  転職を考えていますが、どこの会社も大変そうですし、躊躇する自分もいて、迷路に入り込んだような気持ちの毎日です。挙句、彼との関係もうまくいっておらず、なにもかも低空飛行といった感じです。もう、どうしたらよいかわかりません……。 (35歳、会社員) 嫌いな上司

「憎い相手の姿」は妄想かもしれません

<大來さんのアドバイス>=====  職場の人間関係の問題は本当に辛いですよね。転職まで考えていらっしゃるのであれば、本当に深刻な問題にぶつかっていらっしゃるのでしょうね。さぞや、お辛いことでしょう。気に悩んで体調を崩されていませんか?

大來尚順さん

 実は私も、以前勤めていた職場であなたと同じような思いを体験したことがあります。ストレスで同僚や友人の前での愚痴も多くなり、信じられないほど酷い言葉を独り言のように呟くようになりました。これでは自分のことが嫌いになってしまうと思い、お恥ずかしい話ですが、逃げるようにして職場を去ったことがあります。  これでストレスから解消されると安心したのも束の間。新天地でも、以前ストレスを感じていた上司と同じ匂いのする人がいて、やっぱり残念な結果となりました(涙)。  お気付きだと思いますが、私たちはどうしても自分が嫌だなと思う人と出会わなければならない現実にいます。好きな人だけとずっと一緒に仕事をしたり、一緒に時間を過ごし生活したいという願望は誰もが持つものですが、その願望は残念ながら非常に難しいことです。  仏教には「怨憎会苦(おんぞうえく)」という言葉があり、「怨み憎しむものと会わなければならない苦しみ」を意味します。英語だと「Suffering of Meeting Up with Persons or Situations One Hates」という感じになります。  これは本当に真実です。極端な話、私のように職場を移ったりしても、自分の嫌いな人は不思議とどこへ行こうと現れてしまいます。もう逃げ場がありません。  でも、唯一の逃げ場といいますか、問題解決の糸口があるとすれば、それは自分の心の持ちよう、つまり内側です。  ちょっと、考えて頂きたいのですが、あなたが嫌う上司は最初から「あなたの嫌いで会いたくない人」としてこの世に生まれてきたのでしょうか? おそらくそんなことはないと思います。あなたが嫌う上司の姿は、ひょっとしたらあなたの心が作り出している妄想なのかもしれません。  つまり、その方が最初から「あなたの嫌いな上司」ではなく、あなたが「嫌い」というステッカーをその方に貼ってしまったとは考えられないでしょうか。言い換えるならば、本当に会いたくない人というのは、実は自分の「自己中心的な思い」が反映されているかもしれないということです。  もし、嫌いで会いたくない人がいらっしゃれば、その人はあなたの自己中心的な「思い込み」が反映されているのではないかと、少し冷静に考えてみて下さい。そうすることで、嫌いで会いたくないという堅い思いが少しずつ柔らかく温かな気持ちに変わってくるはずです。  もし、それでもダメならば、その方を反面教師と思って下さい。あなた自身の嫌いなところや性格が凝縮された姿だと思って、その方の振る舞いや考え方を真似しないように、自分を成長させる糧だと思ってみて下さい。  救いを外ではなく、あなたの内側というの「心」の変化に求めてみてはいかがでしょうか。 =========== 【大來尚順】 1982年、山口県生まれ。浄土真宗本願寺派僧侶、大見山超勝寺衆徒。通訳および翻訳家。 龍谷大学卒業後、渡米。カリフォルニア州バークレーにあるGraduate Theological Union(米国仏教大学院)に進学し修士課程を修了。その後、ハーバード大学神学部研究員を経て帰国。帰国後は、山口県の自坊(超勝寺)と東京を行き来しながら、、通訳・翻訳、日英の執筆、講演などの活動を通して、国内外への仏教伝道活動を展開している。初の著書『英語でブッダ』(扶桑社)が発売中。 <PHOTO/望月孝>
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英語でブッダ

この1冊で、外国人に「仏教用語」を説明できるようになる!超カンタン英訳だと仏教用語がよくわかる!テレビでもおなじみ!ハーバード大学神学部で学んだお坊さんが教える目からウロコな仏教本!般若心経の英訳、外国人からよく聞かれるQ&Aなど満載!

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