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いま、ジワジワ人気? 自作フリーペーパーの魅力

 だれにでも、「好きで好きで堪らない!」というものが一つはある。サッカーでも読書でも、花でも料理でもアイドルでも、なにかある。それについては、他の人より知識がある。知識がなくても、「ねえねえ」と人に伝えたい気持ちがある。その気持ちを伝える方法の一つに、“フリーペーパー”というものがあるのだと知った。
フリーペーパー

200冊近いフリーペーパーの山

きっかけは小学生のフリーペーパー

「いいとも増刊号」で、パーティ内山という芸人さんが特集されていた。別名、“フリーペーパー芸人”。世の中にある面白いフリーペーパーを紹介する、というネタで注目されている。将棋のフリーペーパー、囲碁のフリーペーパー、山ガールのフリーペーパー。(そんなのアリ!?)という内容のものばかり。  中でも最も衝撃的だったのが、小学生が作っているフリーペーパー『金岡新聞』。将来、新聞記者になりたいという小学生が、日々の出来事を綴っているらしい。(そんなのアリなんだ……)小学生が作れるなら自分も作れるかも知れない。フリーペーパーの仕組みについて、パーティ内山さんに話を聞いてきた。

仰天!フリーペーパーの世界

パーティ内山さん

フリーペーパーを一つ一つ解説してくれたパーティー内山さん

 パーティ内山さんの事務所を訪れると、100冊近いフリーペーパーがズラリ。こんなにあるの!?「全国にはもっとありますよ。2万冊以上」。(まじか!)とフリーペーパーの山を一つずつ見ていくと、ジャンルの幅広さもさることながら、その完成度の差に驚いた。雑誌のようなものもあれば、(これ、チラシなんじゃ……)という紙一枚、いわゆる“ペライチ”のものもある。パーティ内山さんいわく、「『フリーペーパー』と言ってしまえばフリーペーパー」とのこと。見せてもらった中にも、ペライチのフリーペーパーが結構ある。  そして見つけた、ペライチのフリーペーパー『陰毛』! 読んでみると、「インモラルな啓発(毛い発)」など、実にハイセンスな内容だ。手書きか写真かは分からないが、チリチリの陰毛が1本。そしてよく見ると、上に小さく「Vol.1本」と書いてある。「毛だから“本”なんでしょうね。この陰毛も、次号は2本になるんじゃないでしょうか(笑)」とパーティ内山さん。さすがの着眼点。タモさんもびっくりだ。 ⇒【写真】フリーペーパー『陰毛』はコチラ
http://joshi-spa.jp/?attachment_id=30346
フリーペーパー『陰毛』

なんつータイトルだ。極私的な世界に引きこまれる

ポイントは「真面目に作る」

 ネタに取り上げる基準について聞いてみた。「真面目に作られているものほど、面白かったりしますね。作っている人は真剣なんだろうけど、その分野を全然知らない人からするとツッコミどころ満載です。逆に、ギャグっぽく狙っているものは、読んでいて面白くてもネタにしたことはないです」。真面目に作れば面白い。それならギャグセンのない記者にぴったりだ。(よし、作ってみよう!)

記者、フリーペーパーを創刊

 自分が本当に好きなもの。これだけはもう、フェティシズムとしか言いようがないもの。記者の場合、「レターセット」だ。本当は「手紙を書くこと」なのだが、手紙ってちょっと重いし、「今はメールばかりだから、たまに手紙をもらうと新鮮で嬉しい」とかいったって、(いつも手紙じゃ、新鮮でもなんでもないよなぁ)と悩む。結果、レターセットだけどんどん溜まっていく……。この悶々とした思いをぶつけよう! テーマは「手紙」。  作る際に気をつけたことは、「真面目に作る」「気軽に始める」「名前にこだわる」という3点。最後の「名前」については、パーティ内山さんがヒントをくれた。「面白いフリーペーパーは、分かりやすい名前のものが多い。かつ、ちょっとマニアックな要素が入っている」。そこで思いついたのが、「手紙.com」。(手紙だってメールみたいなもんなんだ!重くないんだ!だからもらってください!)というメッセージを込めて、アドレス風にした。……と、言わなければだれも分からないこだわりが、フリーペーパーの醍醐味だ。
記者が作ったフリーペーパー『手紙.com』

記者が作ったフリーペーパー『手紙.com』

 本格的に作るなら、仲間を集めて、会議をして、内容やデザインを決めて、印刷して……と、考えるだけで頭がクラクラしてきたので、ひとりで手書きのペライチを作ることにした。書きたいことをノートに書き出して、A4の紙にざっくり下書き。そして清書。そして家のプリンターで印刷。それで完成!制作時間、約3時間。制作費、約10円(10枚コピーした)。内容も、「ご挨拶(手紙の歴史)」「手紙の流儀」「今月のレターセット」「募集コーナー」「編集後記」と盛りだくさん。10円でもこれだけできる。あとは友人に配ったり、よく行く文具店やカフェに置いてもらったり。営業活動もそれだけだ。

これからはフリーペーパーの時代?

 超簡易版なら、超カンタンに作れる。発信する内容はブログと同じでも、自分の手で作る達成感はハンパない。「クオリティを高くして広告費でひと儲けしよう」となると話は別だが、「趣味を形に」的な感じで気楽にチャチャっと作ってみるとものすごく楽しい。(次の号はどんな内容にしよう?)と考えると、なんだか未来が輝いて見える。自分なんかでも世の中に何かを残せるんだ!頑張って生きていこう!そんな前向きな気持ちになれる。  ブログが飽和状態の今。流行るんじゃないかなぁ、フリーペーパー。 <TEXT/尾崎ムギ子>
パーティ内山さん

大好きだというももクロのフリーペーパーを見てにんまりのパーティ内山さん

※「パーティ内山のほぼ週刊カルチャー通信」Magalryで連載中。 http://magalry.com/magazine/partyuchiyama/
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