“コスメで美肌”は本当か? 美容法のウソを高須院長がぶっちゃける
さまざまなダイエット法やアンチエイジング美容法が日々登場しています。でも、これってホントに効果があるの? 医者として美を追求してきた高須クリニックの高須克弥院長(http://www.takasu.co.jp/)をナビゲーターに、シリーズでお伝えします。
今回は、お肌のアンチエイジングについて。教えて、かっちゃん!!

Q.年をとるにつれて、気になるようになってきたしみやそばかす。美白化粧品を使えば、なんとかなる?
「なんともならんだろうね。そもそも、効くものは『医薬品』に分類されるから、医師じゃないと処方できない。で、効くか効かないかわからないものは『医薬部外品』、効かないものを『化粧品』って呼ぶんですよ」(高須院長)
そ、そんな乱暴な……。もう少しくわしく説明してください!
「美白を例にとると、肌を今より白くしたりシミを消すのは、“身体の構造や機能に影響を与える”ことだから、薬事法で医薬品になっちゃうわけ。医者の場合は、たとえばハイドロキノンという成分を使って、肌を漂白したりする。でも、これは劇薬ですよ。
一方で化粧品は、そういう効果があると法律違反になっちゃうから、今より肌を白くしたりシミを消したりはできないんです」(同)
たしかに、美白化粧品の説明を見ると、「メラニンの生成を抑制」(=黒くなりにくくする)とか、「肌の生まれ変わりをサポート」などとは書いてあるけど、「白くする」とは書いてないですね。
「ところが、化粧品なのに白くしちゃったのが、例の白斑問題ですよ。あのロドデノールっていう成分、ちゃんと医者がコントロールしたら使えるかもね」(同)
正しい化粧品は「人体に対する作用が緩和」(薬事法)だからこそ、副作用を気にせずに素人が使える、という面もあるわけですね。
Q.美容成分たっぷりの化粧水や美容液は、お肌ぷるぷるになるの?
コラーゲンやヒアルロン酸など「美容成分たっぷり」なコスメは多いもの。使う側からすると、たとえばヒアルロン酸を肌から吸収して、体内のヒアルロン酸が増えてお肌ぷるぷるになる……みたいなイメージがあるんですけど。
「いえ、吸収はしません。肌には、外の刺激から体を守る“バリア機能”がありますから。そう簡単に外のものを吸収したら、大変なことになっちゃいます」(高須クリニック・入谷英里先生)
ええっ、お肌からは吸収しないんですか?
「一部の塗り薬などは別ですよ。例えば、副腎皮質ホルモンが配合された軟膏を塗ると、血管が広がり、肌も薄くなります。でも、そんな効果があるのは相当強い薬だけ」(高須院長)
そもそも肌は、有害物質を体内に入れないために、キメ細かいフィルターのようになっています。コラーゲンでもヒアルロン酸でも、ほとんどの“美容成分”はいくら塗っても、分子が大きすぎて肌の中に入れないそうです(たしかに、コスメにも「吸収する」とは書いてない)。
もし肌が美容液をブロックしないなら、細菌やウィルスだってブロックできないわけで、それじゃ逆に怖いですよね。
でも、化粧品によっては肌の調子が良くなったりするのはなぜでしょうか??
「それは肌が保湿されるからでしょう」(同)
肌の内側には入れないけど、外側にとどまって保湿してくれると。いろいろ美容成分が入ってても、結局は保湿だけ…。とはいえ保湿はお肌にとってすごく大事なことだから、それでもOK、という考え方もありますけどね。
Q.最近よく見かけるようになった「ビタミンC誘導体」。肌の奥まで浸透し、皮膚内でビタミンCになるという触れ込みですが……。
「“肌の奥”がどこまでを指すのかわかりませんが、いずれにしても、お肌のバリア機能を突破して、真皮に到達して、血液に入って作用する……というのは、考えづらいです」(入谷先生)
⇒頭を使わないとトンデモ美容法に引っかかるよ【高須院長】
【高須克弥氏・プロフィール】
1945年生まれ、医学博士。メディアでもお馴染みの、美容外科の第一人者。最新の美容技術を、自ら試して普及することでも有名。『その健康法では「早死に」する!』『最新版 シミ・しわ・たるみを自分で治す本』など著書多数。
「賞金総額250万円 高須クリニック動画CMコンテスト」開催中 http://yes-jinsei.com/cm/ <TEXT/島影真奈美> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】

化粧品と医薬品はどう違う?

なんと! 美容成分を塗っても吸収できない

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高須克弥
【プロフィール】
1945年生まれ、医学博士。高須クリニック院長で美容外科の第一人者。最新の美容技術を、自ら試して普及することでも有名。近著は『ダーリンは71歳 高須帝国より愛をこめて』、『炎上上等』、続編で最新刊の『大炎上』など