他人の意見を気にして生きても、何もいいことはない

⇒【前編】「「女らしさ・男らしさ・自分らしさ」って何? 男性で元AV女優の大島薫さんに聞く」はコチラ 和久井:セクシャルマイノリティーだけの話ではなく、すべての人に共通しますよね。私は血液型性格判断みたいなのが嫌いです。「A型だからこうだろう」とか「ああだろう」と言われても、当てはまらないことが多い。 大島:「この人は顔立ちがこんな感じで、喋り方がこうだから、△タイプか」というようなジャンル分けはしないでおこうと思っています。世の中、すべての人がマイノリティですから
『ボクらしく。』より

『ボクらしく。』より

和久井:すべての人がマイノリティ! いい言葉ですね。大島さんがそんなふうに、ありのままの相手を理解できるようになったのは、どうしてなんでしょう?

マイノリティを理解できない人の気持ちも大事

大島:人は、カテゴライズしないようにしようと思っていてもしてしまうもの。ボクがそういうふうに言っているのは、ある意味自分に言い聞かせているところもあるのかもしれないです。個人は個人だという事を自分が理解するまで、自分に言い聞かせて叩き込むしかないと思っています。 和久井:意識するのって必要ですよね。できるかできないかではなく「できないことを認識して、それに対して努力できるか」が何事も大事だと思います。意識すらしなかったらできていないことにも気付かないままです。 大島:一方で、マイノリティを周りが過剰に保護しすぎて、立場が逆転してしまうことがあります。マイノリティの意見が強くなってしまうんです。  僕はどちらかというとマイノリティ側の人間だけど「理解できない側の意見も言わせてくれ」と思うことがよくあります。マイノリティは自分の思いが強すぎて、どうして理解されないのかを顧みるチャンスが少ないんです。  理解してほしいのであれば「理解できない人の気持ちを知る」必要もあると思うんです。だけど人それぞれがマイノリティだと認識すれば、他人にはない自分の特徴(性癖)を何の先入観もなく人に相談できるようになると思います。 和久井:確かに、「どうしてわかってくれないの?」と思っている割には、ちゃんと相手にわかるように説明をしていなかったりって多いですよね。  少し話はずれますが、大島さんが別の記事で「有名になりたい」と言っていたのが印象的でした。 大島:「現実に叶えられることを夢にしろ」と言われたことがあるんです。 「東大に入れば、将来が安定している」というイメージで、「とりあえず東大に入りたい」という夢はたいてい肯定されますよね。でも「有名になりたい」には否定的なことが多いです。  ボクは、有名になるのは「なんでもできる切符」を手に入れることだと思っています。賛否両論あると思いますが、有名になれば、本も出せるし曲も書ける。自分を知ってくれる人が増えれば、応援してくれる人も増える。自分の意見を発信できるようになるんです。  自分の目的を達成するための手段として「東大に入る」と「有名になる」は同じではないでしょうか。

他人は意見を言うだけ。従う必要なんかない

和久井:大島さんのように既存のカテゴリーに属さない人こそ、発信をするべきだと思います。でも同時に大島さんが「有名になりたい」と言ってイヤミがないのは、ご本人に人としての魅力があるからだと思います。  知識も豊富で話や文章がおもしろくて、視野が広い。大島さんは徹底して自立をしていると感じます。 大島薫さん_2大島:ありがとうございます。人が幸せになる方法は1つしかないと思っています。それは自分に正直に生きること。  人によってそれは勇気のいることだと思います。それでも、人の意見に流されて生きていたら、何年か経って後悔するでしょう。でも自分の意志で決めて生きていたら、その結果、自分の望むものになれなくても納得できると思うんです。  一番いけないのは、人の意見を鵜呑みにして、何かをやったりやめたりすること。それでもしうまくいっても、自分の力ではないから自信には結びつかないし、逆にうまく行かなかったら「あのときあの人の意見に従わなければ良かった」と思うでしょう。  誰かの意見に従ってものを決めて、それがうまく行かなくてもその人は助けてくれませんから⇒第2回「人に何をいわれても腹が立たない“考え方”【男性で元AV女優・大島薫さんに聞く】」に続く <TEXT/和久井香菜子 PHOTO/難波雄史> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
和久井香菜子
ライター・編集、少女マンガ研究家。『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)が好評発売中。英語テキストやテニス雑誌、ビジネス本まで幅広いジャンルで書き散らす。視覚障害者によるテープ起こし事業「合同会社ブラインドライターズ」代表
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