【大島薫さんインタビュー】ブラック企業に勤めて学んだこと「部下は上司のクローンでいい」

⇒【前編】「人に何をいわれても腹が立たない“考え方”【男性で元AV女優・大島薫さんに聞く】」 http://joshi-spa.jp/365347

和久井:この前も仕事先で、頼んでもいないことを先回りしてされて「今度からは自分でやってね」と言われて「頼んでねえよ」とイラッとしました。その人は、誰もが知っているような知識をひけらかすので、もともと苦手なんですが。

大島:傍若無人に振る舞える姿がちょっと羨ましく思えたということですか?「少し考え方が足りない分、わかっていないことで幸せなまま生き続けられる」感じが羨ましいのかな。

和久井:そうですそうです。経験値が低くて視野が狭いからこそ自分に自信を持っているような、まあ端的に言えば「偉そうにしている人」を見ると、羨ましいですね。

『ボクらしく』

『ボクらしく。』より

「なぜこの人を嫌いなのか」と考えてみる



大島:「どうしてあの人はあんな風に振る舞えるんだろう?」というような、自分にない考えを持っている人に怒りや疑問を持つことは、新たな考えを手に入れるチャンスでもあるとボクは思います。その考え方を一部でも覗けたら、本当はなりたい自分がわかるでしょう。

自分にとって嫌な人というのは自分にない必要なものを持っている人なんです。だからその人を理解することが自分の成長に繋がると思っています。単に自分にないものを持っているから相手の印象が悪いこともありますよね。

 少し相手のことを理解できれば、嫌いな相手でも見え方が変わってきます。

和久井:同じことに腹を立てていても進歩がないですものね。でも仕事では、自分の好きな人とだけつきあえばいいというわけにはいかないから、不当に上司に怒られたり、同僚と上手くできなかったりと、悩みがつきない人は多そうです。

大島:例えば人に怒られたり人と衝突したとき、その原因を考えてみるんです。そうして、「自分の課題と相手の課題は別だ」と考えるべきだと思います。

和久井:相手の課題というのはどんなことでしょう?

大島:「怒っている理由をもっと理論的に説明してほしいのに、感情的に言ってきた」というなら、それは相手の問題で、その人が直す部分ですよね。

 ボクは「人に対して感情的にしか怒れないの?」とは思わずに、「相手が理論的に怒れない、大人になれていないんだから仕方がない」と思います。むしろ「伝え方が未熟だと反省して、理解してもらえるように伝え直す」ことを考えます。

和久井:「伝える技術」って大事ですよね。この前も知人と「腹が立っても怒るのではなく、笑って指摘するといい」という話になりました。自分を責められたと思うと人は反発したくなりますから、「それはちょっと悲しいな」というように、いわゆる“I”メッセージで伝えるわけですね。

 では「自分の課題」というのは?

大島:「相手の言ったことが的を射ているから腹が立つ」場合です。相手に対してではなく、自分に対しての怒りだとわかります。それなら、自分が成長すればいいだけですよね。

会社で働くということ



和久井:なるほど。怒りの理由を分析することが大事なのですね。

 多くの人が人間関係で悩んでいると思いますが、大島さんのお話を聞いていると、簡単に解決できるような気がしてきます。

 大島さんは、かつてブラック企業に勤めていたことをブログに書いてますね。とても苦労があったと思いますが、どうしても上司と意見が合わない場合は、どうしたらいいんでしょう?

大島:ボクは、人それぞれ考え方があるとはいえ、会社に入ったら上司の言うことは聞きます。そもそも会社というのは、独りでできるならその方が効率がいいはずです。なんでも自由だし、齟齬が起こりにくいですよね。

 でもそれだと大きな規模の仕事ができません。手が足りないから誰かを雇うんです。組織の中に入ったら、上司と同じ考えのクローンになったほうが上手くいくんです。だから組織に入るなら、部下はそれを目指すべきだと思うんです。

「どうしてこの人はこういう考えなんだろう?」「ああ、こうだからか」と自己分析をして相手を理解する。そうして相手のコピーになると、仕事は上手くいきます。そうすると自ずと自分の意見も通りやすくなるものです。

大島薫さん_2_2和久井:子どもの頃から言われきた「相手を思いやる」とか「相手の立場になってものを考える」につながりそうですね。大島さんは、人と上手くいかないことがなさそうに思えてきます。

大島:そんなことないですよ。仕事でもめた経験もあります。そのときは自分のメリットとデメリットを考えた上で相手を切りましたけれど。もちろん、相手と考えが合わないこともあります。でも理解しようと思っていますし、考えが合わなかったら相手にそう話します。

和久井:女性はつい「私はこんなに我慢しているのに気づいてくれない」と思ってしまいますが、自分の気持ちを伝えるのって大事ですよね。

 「ブラック企業なのか、自分がこらえ性がないのか」の判断に迷う人は多そうですが、会社員の権利(休養や手当てなど)をきちんと把握した上で、社会になじむ必要はありそうですね。

※第3回に続く

<TEXT/和久井香菜子>

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和久井香菜子
ライター・編集、少女マンガ研究家。『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)が好評発売中。英語テキストやテニス雑誌、ビジネス本まで幅広いジャンルで書き散らす。視覚障害者によるテープ起こし事業「ブラインドライターズ」運営
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