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柳楽優弥、居酒屋バイトからたった5年で大復活した理由

 NHK朝ドラ『まれ』の池畑大輔役で、ガゼンお茶の間の注目を浴びた俳優・柳楽優弥(25歳)。主人公の希にキスする大輔のオーラに、やられちゃった女性が続出したのでした。

GALAC

放送業界誌『GALAC』2015年8月号では「旬の人」として表紙に

 連続ドラマ『まっしろ』(TBS系、2015年1~3月)のドクター役、『まれ』、現在公開中の映画『合葬』……この1年で、「柳楽優弥の存在感がすげえ!」という声が、メディアやネット上でもよくみられるようになりました。

 彼の魅力と、“復活”のポイントについて、映画ライターのよしひろまさみちさんに聞いてみました。

主役を食うほどの存在感



「柳楽優弥!いま一番、脂が乗ってますよね。

 彼が“復帰”した後の作品で、まずすごいと思ったのは、映画『許されざる者』(2013年)です。アイヌ出身の青年を演じて、主役の渡辺謙を食っちゃうぐらいの存在感! 柳楽くんは顔が濃いから、ピッタリの役でした。

 そのあと、ドラマ『アオイホノオ』(2014年)も大好きです。あ、連ドラのコメディで主演もできるんだ、幅が広い役者になったな、と。

 しかし、よく復活しましたよね。一時は“人生ヲワタ”状態で、もう戻ってこないかと思っていたけれど……」(よしひろさん)

『アオイホノオ』DVD。テレビ東京のドラマで高い評価を受け、現在BS-ジャパンで再放送中

 ご存知の通り、柳楽優弥は14歳のとき『誰も知らない』(2004年)でカンヌ主演男優賞をとって鮮烈なデビューを飾りました。しかし仕事がだんだん減り、精神安定剤の過剰摂取で病院に運ばれて「自殺未遂」と報じられたのが2008年のこと(本人は公式HPで自殺未遂説を否定)。

 本人は当時を振り返って、「人間不信でした。ちやほや寄ってきた人が、今度いきなり離れていく」(※1)と話しています。一時は家に引きこもって、引退も考えたそう。

自殺未遂報道

2008年8月29日未明の騒動はスポーツ紙一面に(日刊スポーツ)

 ダメになる元子役も多いなか、なぜ柳楽優弥は大復活を遂げられたのでしょうか?

この5年でドン底から復活できたポイントは…?



・19歳で結婚し子供もできた責任感と、バイト経験

 柳楽優弥は2010年・19歳のとき、高校でひとめ惚れした女優・豊田エリーと結婚、同年に娘が生まれます。

「その責任感から、どこかで役者として腹を括ったんでしょう。仕事がない時期に、アルバイトをしていたのもよかったんだと思います。だってそれまでは、人に頭を下げることも知らなかったわけだから」(よしひろさん)。

『BARFOUT!』2010年2月号では、豊田エリーとのヌードを披露。今よりだいぶ太目…

 2011年頃には、妻子を養うために、自動車ディーラーでの洗車(時給1000円)や居酒屋でかなり本格的に働いていたそうです。

 でも居酒屋では、名前のバッヂでバレることもあり、酔った客に「『柳楽? サインちょうだいよ~』とか言われて…悔しかったですね」「俳優として経験を積んでいきたい、っていうのは、バイトしている時に強く思ったことですね」と語っています(※2)。

 ドン底期の彼を支えた妻・豊田エリーも大したものです。

・復帰後、舞台や映画で叩き直された

「『誰も知らない』の頃から“目ヂカラ”はすごかったけど、あれはドキュメンタリーみたいなもんで“演技”じゃなかった。この数年で、現場で演技を学んだんでしょうね」(よしひろさん)。

14歳当時の『誰も知らない』DVD。目ヂカラは生まれつきのようだ

 “復帰”後の柳楽優弥は、3つの大きな舞台で主演をしています。蜷川幸雄演出の『海辺のカフカ』(2012年)、宮本亜門演出の『金閣寺』(2014年)、蜷川演出の『NINAGAWA・マクベス』(2015年)。

舞台『海辺のカフカ』のキービジュアル

「舞台って仕事としてはお金に全然ならないからおいしくないけど、演技面を叩き直されるから役者としてはおいしいんですよ。

 テレビや映画はカメラが何台もあっていいところだけ切り取るのに対して、舞台は2時間出ずっぱりですからね。自分や周りのコンディションによって毎日芝居が違って、客の反応もダイレクトにわかる。こんな経験、テレビや映画じゃありえないですよね。

 あと、テレビだけだと演技が小さくなっちゃう。舞台をやると大きい演技ができるようになって、それをテレビでは抑えればいいわけ。

 私は『マクベス』は観そこねたんだけど、観た人はかなり褒めてました。お金にならなくても、年に1本は舞台をやっていってほしい」(よしひろさん)

映画『許されざる者』公式サイト。左上が柳楽優弥 http://wwws.warnerbros.co.jp/yurusarezaru/

 また、映画『許されざる者』は名役者たちと共演。ロケで泊まっていたホテルの階下の居酒屋で、毎晩、共演者たちに教えを受けていたそうです。

渡辺謙さんは毎晩誘ってくださって、『芝居が伝わってこない』って言われました。あと、柄本明さんに『いいとこ見せたがるバカが!』と言われたのが、一番印象に残ってます」と、柳楽くんは語っています(※2)。

・ダイエットに成功した

 ドン底期に家でごろごろして82kgまで激太りしたのを、バナナダイエットで25kg減量に成功。たとえば『シックスセンス』の名子役、ハーレイ・ジョエル・オスメント(現在27歳)が、激太りのままくすぶってるのを思うと、柳楽優弥のダイエット成功は重要でした。

・根がマジメで“いい人”だった

 よしひろさんは、柳楽くんの第一次絶頂期で取材したときにこんなことがあったそうです。

「共演者がけっこうコワイ子でね。柳楽くんは萎縮して何もしゃべれなかったの。ホントかわいそう。でも、彼って根はいい人なんだろうね。『憧れの人は押尾学』なんて言ってる時期があったけど、本当のワルならあんな中途半端なアイコン的ワルに憧れたりしないから」(よしひろさん)

 この当時を振り返って、「撮影が毎日怖かった。自信がなかったし、自信がつくほどの努力をしてなかった」(※1)と語っている柳楽くん。それが、ドン底を見て、腹を括って努力したことが、現在のブレイクにつながったんですね。

「今後は、園子温みたいなタイプのトンデモナイ映画や、『アオイホノオ』のようなコメディを映画でやってほしいです。ちょっと顔が濃すぎるのが難点だけど(笑)」(よしひろさん)。2016年初夏公開予定の映画『ディストラクション・ベイビーズ』(真利子哲也監督)では、セリフが5つしかない役をやる柳楽優弥。キレキレの演技が楽しみです!

※1 『旅のチカラ』(21歳の柳楽がハリウッドの演劇学校で修行するドキュメンタリー、NHK-BSプレミアム)2011年10月11日
※2 『A-STUDIO』(鶴瓶のトーク番組、TBS)2013年09月06日
その他、各所での発言から構成

<TEXT/女子SPA!編集部>




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