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モンスター客のクレームにズッコケ!【美容部員は見た】

 こんにちは。  関西の百貨店で美容部員をしております、白川 凛(しらかわ りん)です。 モンスター客 女子SPA!にて、高級ブランドの商品じゃなくても実は十分に事足りる「プチプラコスメ」を紹介していますが、今回はそのスピンオフとしまして、いま流行り(?)のモンスター客(クレイマー)についてのお話をします。  都心の駅ターミナルの百貨店では、毎日色々なお客様のご来店があります。百貨店ともなると、やはり値段も張るので、お客様が求められるサービスも色々なかたちで出てくるわけです。  先日も、母娘のお客様がご来店されました。ごくごく普通の母娘です。  娘思いのお母様は、「娘は肌が弱いのでサンプルで試してから化粧品を選びたい」とのご要望。 「もちろんでございます、お客様」  美容部員は、娘様の肌の診断を、会社から教えられた知識と自身の経験を駆使して、最大限のカウンセリングを行います。  そして一通りのサンプルをご用意し、「一度こちらでお試し頂き、ご検討ください」と最高の笑顔でお見送り。サンプルを気に入っていただければ、当然、あらためてお買い求めいただけるとの期待を込めて。  そして数日後、その母娘で再度ご来店。美容部員は最高の笑顔でお出迎えします。 「サンプルのご使用感はいかがてでしたか?」  サンプルを差し上げてからの再来店です。間違いなくお買い上げでしょう。なんなら、「先日は親切にありがとう、サンプル良かったから買いに来ました」くらいの言葉を、私たちは想像していたのです。  あれ、なんだか様子が違います。  怖い顔のお母様、ギロッと私の顔を見るなり、こう言い放ちました。 「おたくのサンプルで娘の顔が歪んだ」  えええええ? 歪んだっていいますが、先日来たときからお変わりない感じでしたけどおおおお?  そう答えるわけにもいかず、怖い顔のお母様の意図もまったく把握できず、でも何か言わないといけませんから、精一杯考えた末、 「お肌に合いませんでしたでしょうか?」  するとお母様の分厚い口びるが、再び動きます。 「だから、歪んだんや」 一同、「……」  お前じゃ話にならん的な空気満々ですので、ブランドのチーフの登場です。  それでも話は平行線。  こうなってしまうと、売場責任者の登場です。ビシッとスーツを着た百貨店男子社員の出番です。百貨店男子社員は、ある程度美容部員から事の成り行きを聞いてから売場に出てきますが、あくまで私はお客様側の立場ですよ、といった空気を振りまきながらお客様に接します。すでにここまでで1時間ほど、不毛なやりとりが繰り返されているわけで、男子社員は「お客様の味方」なのです。  そして、明らかに元々ひょうきんな娘の顔を、化粧品サンプルで歪んだと言い切る母親に、頃合いをみて、一言。 「では、いかがさせて頂きましょう」  待ってたんでしょーね、この一言。  お母様の分厚い唇が、即答です。 「うちの娘はマンゴーが好きや」 一同「……」 マンゴー、食いたかったんかいっ!  そこに居合わせたスタッフ全員の心の声です。往復の交通費×2度の来店で、マンゴー買えんかった?  まあ、土下座させて写メをネットにあげられるよりマシだけど! 【白川 凜】(しらかわ りん) 関西在住の30代、百貨店の現役美容部員。ナチュラルコスメでスキンケアアドバイザーとして15年、従事している。「高い化粧品を使っていると豪語する人ほど、綺麗な人が少ない」と気づき、お金をかけずに綺麗になれることを追求するため、日々、さまざまなスキンケアを自ら試している。情報源はドラッグストアとインターネット。最近は、「プチプライスで実力派揃いのネットが熱い!」
白川 凜
しらかわ りん。関西在住の30代、百貨店の現役美容部員。ナチュラルコスメでスキンケアアドバイザーとして15年、従事している。「高い化粧品を使っていると豪語する人ほど、綺麗な人が少ない」と気づき、お金をかけずに綺麗になれることを追求するため、日々、さまざまなスキンケアを自ら試している。情報源はドラッグストアとインターネット。最近は、「プチプライスで実力派揃いのネットが熱い!」
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