夫の本音は「家でもオシャレな妻は疲れる」
「結婚したら変わっちゃったんだよ……」と、妻へのグチをもらす夫は多い。でも妻から言わせれば、「誰のせいで変わったと思ってんだ」という反論が山ほどあるもの。そんな妻たちの本音を取材してみた。
●椎野依子さん(仮名・38歳)
●夫の職業は自営業で年収700万円
A型気質で家事は掃除が最も得意だった椎野さんは、結婚を機にライフスタイルが激変したという。
「独身時代から脱いだら脱ぎっぱなし。家に帰ってくるなりパンツ一丁になって、私や子供が靴下を穿いていれば『脱げ』と命令されます。人がキチッとしているのを見るとリラックスできないそうで、私にはブラも取れと……」
夫がくつろいでいるときは、テレビやおしゃべりにお付き合いさせられる。最初はそんな生活が嫌いだったが、しだいに夫の“のび太的生き方”にほだされ、今では夫や家族とダラダラすることに幸せを感じる毎日だとか。
「モデルルームみたいな家に住んで、ファッションもきちんとした奥さまの見本のようだった友達は、離婚しちゃいましたよ。きっと旦那はくつろげなかったんじゃないかな」
当然、家の中は散らかり放題と思いきや……。
「おかげさまで家はそんなに片付いてないです(笑)。でも、あまりにも酷くなったときがあったので、さすがにこれはと夫婦で話し合いまして。月に一度ホームパーティを開くことにしたんです。そうすると嫌でも家族みんなで片付けますからね(笑)」
月に一度、家族総出の大掃除と料理によって清潔感は維持され、家族の団結も強まる。生き生きと幸せそうに夫や家族の話をする椎野さんからは、劣化を感じない。
「及第点であれば問題ないと思います。大事なのはメリハリですね」
こうして椎野さん夫婦は、ダラダラしながらコミュニケーションを取り、リラックスできるストレスフリーな家庭を築いたのである。
「男性は昼間一生懸命働いているでしょ? “ダラダラ”は家で目いっぱいくつろげるようにという妻の優しさと配慮なんですヨ」
と語る椎野さん。老後は、夫婦で一緒に、いっぱいダラダラしたいという。
たしかに、オシャレな家庭にしようと、口うるさくあれこれ言う妻は疲れる、というのはよく聞く話。ちょっとダラけているぐらいがちょうどいいのかもしれない。
―「妻の劣化」問題、妻からの大反論【10】―