森林:今、AV業界でさかんに言われている
「幸せなセックス」みたいなものです。これまで、AV業界は「イク/イカない」のセックスばっかりを求めてきたのですが、それに対して見る側からの反発が出てきて。
「お前たちのせいでセックスがつまんなくなったんだ」みたいな。僕たちはそういうセックスをファンタジーでやっているけれども、本当は「イク/イカない」とは別の、「幸せなセックスをすれば幸せになれる」というのも目指してるんです。

セックスで引き込まれると、そのコが可愛くなったり、好きになっちゃったり、幸せな気持ちになる。
ビジュアル的な価値観を超越する何かがセックスにはありますね。セックスのパワーだと思います。
花房:ときどきAVを見ていると、最初の自己紹介のインタビューのときに
「(見た目が)大したことないな」って思ったコがいて。でも、セックスしてるとだんだん可愛くなって、終わった後、
「このコ、すごい可愛い!」って魅力的な顔になっているっていうことがよくあるんですよ。女の子がセックスで本当に可愛くなるということが確実にあって。それってやっぱり、森林さんのおっしゃる“セックスのパワー”なんですよね。
森林:「イク/イカない」の2択だと、「イカせてやった」とか「俺の手のひらでおどらせることができた」みたいな一方的な価値観になりがちですが、「幸せなセックス」をすれば、「この人は自分のすべてを受け入れてくれた。
こんなに受け入れてもらえる自分でよかった」みたいな満足感が沸き上がる。そうすると自分のことを好きになるし、自分を許せますよね。
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すべてを受け入れられる喜びはセックスにおいても大事、と森林さん。次回のVol.2では、「この人のためなら何でもしてあげたい!」と思わせる魅力やセックスについて語り合います。
【花房観音/ハナブサ カンノン プロフィール】
映画会社、旅行会社、アダルトビデオ情報誌での執筆などを経て、2010年に『花祀り』(幻冬舎文庫)で第一回壇鬼六賞大賞を受賞。近著は『鳥辺野心中』(光文社)、『指人形』(講談社文庫)など。
【森林原人/モリバヤシ ゲンジン プロフィール】
35歳。AV男優歴16年。日本人の生涯セックス回数は、年平均46回×60年=2760回で、この4倍近くセックスしていて、セックス経験だけで言えば3回生まれ変わって只今4回目の老後を満喫中。
★Twitter(
@AVmoribayashi)
<TEXT/女子SPA!編集部 PHOTO/山川修一>
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