
未婚当然時代~シングルたちの絆のゆくえ
――なるほど。
「その結果、今の日本の未婚率は30代後半で男性が35.6%、女性が23.1%……これは2010年に行われた国勢調査(※)の結果ですが、2015年国勢調査の結果が発表されるともっと高くなるといわれています。
また結婚しない年齢層もどんどん高くなってきています。
肝心なのは、
誰もが『結婚しない人生』を積極的に選んだわけではないということです。『いつか結婚』と思っているうちに年齢を重ねてしまい、結婚していない状態が続いている』だけという人がほとんどといっていいと思います」
※「生涯未婚率」(50歳時点での未婚率を、一生未婚の割合とみなす)は、2030年には男性約30%、女性約23%に達すると見込まれている(2010年国勢調査から、国立社会保障・人口問題研究所が予測)。つまり、現在36歳の女性の約4人に1人は「一生未婚」と予測される
――いくつくらいまでそんな感じですか?
「年齢はあまり関係なくて、50代の人を取材していても、『いつかは結婚したい』という人はとても多いです。また、20代で『結婚は興味がない』『一生結婚しないかも』『できないかも』という人たちも、心の内をじっくりと聞いていくと本心から結婚したくないと思っている人は少なくて、『モテないから』『稼いでないから』などの理由が『したくない』といわせているだけとわかってきます。『結婚したくない』と思い込んでいた人が40歳を前にして、『やっぱり自分は結婚したい人間だったと気づいた』ということもあります」
――あ、その気持ちはよくわかります。
「で、なにが言いたいかといいますと、積極的に『結婚しない』道を選んだ場合は、様々な準備もできているのでしょうが、実際の結婚をしていない層は、『結果的に結婚していない状態が続いている』だけなので、しない場合の対策についてはそれほど考えてない場合が多いんです。
ですが、もしかしたら本当にずっと結婚しないかもしれない。
そうなったときに、ではどういう絆を築いておくべきか、それを未婚者自身だけにゆだねるのではなく、世の中全体で考えてみましょうよと書いたのが本書です。具体的な行動例として、おおぜいの未婚者たちを取材しているので、いろんな人たちにも参考になると思います」
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本のまえがきに書いてあった「未婚者は入院するときに誰に同意書を書いてもらうのか」という問いかけは、「未婚、一人暮らし、会社に勤めてない」私にはとてもリアルに感じました。「私、これからどうなるんだろう?」「このまま一人なのかな?」と思う女子たちは共感したり、励まされると思います。
<TEXT/市吉いとこ PHOTO/Pe3ak>
【にらさわあきこさんプロフィール】
NHKディレクターを経て、文筆業に。恋愛・美容などの分野で取材・執筆活動を行なう。著書に、『
婚活難民』(光文社)や、新しいつながり方を模索する男女のリアルな姿を描く『
未婚当然時代~シングルたちの絆のゆくえ』(ポプラ社)が4月1日に発売(予約開始中)。
恋愛・婚活研究所を主宰。『WEDGE(ウェッジ) Infinity』で「
未婚大国ニッポン~“絆”のゆくえ」を連載中
市吉いとこ
ライター。恋愛や結婚に興味はあるが、気がつけば彼氏いない歴ウン年。出会いに関して取材を続けている。アラサー。