
『未婚当然時代』
「今回、データを先に調べて、それに当てはまる人を探して取材したわけではないんですが、20代から50代までの未婚男女の生の声を聞く中で、社会の流れが見えてきたことに私自身も驚きました」
――たとえば?
「たとえばツイッターで同居者を募集して、暮らし始めた人たちがかなりいたんですね。最初に聞いた時には、見ず知らずの人と暮らすなんてチャレンジャーだなと思ったのですが、話を聞き進めていくと、むしろ『リアルでの知り合いに心を許せていない人たちが多数いる地元』の現状が見えてきました。
東京生まれの女性が、縁もゆかりのなかった地方に移住して初めて『根無し草でない生活を手に入れた』と話してくれたことをきっかけに、東京の“地縁”のなさを改めて突きつけられたり……。
だけど、おおぜいの未婚者たちが不安定さを感じながらも、絆を求めてチャレンジをする姿にはとても共感しましたし、またとても力づけられました」
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他にも、お見合いで100人以上の美女から申し込みをもらってもなかなか結婚を決められない男性や、50歳で婚活をする男女、地方移住をした女性、さらにゲストハウスやシェアハウスにつながりを見つけようとしている未婚者たちも著書には登場します。
登場する人たちは生き生きしているように見え、シングルが必ずしも“かわいそう”な時代ではないことを実感。もし結婚しなかったとしても、様々な生き方ができると思えば、希望が湧いてきそうです。
<TEXT/市吉いとこ PHOTO/Tea>
【にらさわあきこさんプロフィール】
NHKディレクターを経て、文筆業に。恋愛・美容などの分野で取材・執筆活動を行なう。著書に、『
婚活難民』(光文社)や、新しいつながり方を模索する男女のリアルな姿を描く『
未婚当然時代~シングルたちの絆のゆくえ』(ポプラ社)などがある。
恋愛・婚活研究所を主宰。『WEDGE(ウェッジ) Infinity』で「
未婚大国ニッポン~“絆”のゆくえ」を連載中
市吉いとこ
ライター。恋愛や結婚に興味はあるが、気がつけば彼氏いない歴ウン年。出会いに関して取材を続けている。アラサー。