激しい性描写が3Dで迫る『LOVE【3D】』!世界的鬼才が語る、18禁ラブロマンス
――激しい性描写も出てきますね。
ノエ:日本ではどうしてもボカシがかかってしまうので、ピンク映画っぽくとらえられてしまいがちだけれど、そうではなく、これはあくまでも愛のドラマ。エロティックなことに関していうなら、60年代、70年代のほうが映画も雑誌もエロティックなものが存在していた。
現在もAVやネットがあるけれど、生々しくはあっても冷たい感じがする。昔のほうがエロティックなものをいいこと、美しいこととして見せ、官能性が描かれていたと思う。私は官能的なものとして映しているよ。
⇒【写真】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=490972
――ラブシーンの演出はどのようにされるのですか?
ノエ:かなり綿密な話し合いを役者と事前に重ねる。どこが限度で、どこまでならできるのか。撮影もごく少人数のスタッフにとどめて行った。本当に行っているように見えてもしてはいないこともたくさんある。ドキュメンタリーではなくフィクションだからね。
ただ、種明かしはしたくない。際どい性愛を描いた作品で、後にあれは実際にはやっていないと明かしているものもある。種明かしをすることは役者の私生活を守るかもしれないけれど、実際に映画を観る側としては別に知りたくないことだ。だから自分はどれがどうだと明かしはしない。
――主人公マーフィー役のカール・グルスマンは俳優ですが、妻オミ役のクララ・クリスタンとかつての恋人エレクトラ役のアオミ・ムヨック、ふたりは初の演技ですね。
ノエ:演技経験のあるなしは関係ない。大切なのはカリスマ性だ。彼らは素晴らしかったよ。彼らのカリスマ性、美しさが活きていた。演じている本人たちは役柄とはかなり違う人たちだ。ああいう性欲に溺れる人たちではなく、すごくセンチメンタルで慎み深くて、健全な人たち(笑)。
おそらくこうしたシーンのある映画に出るとき、誰もが心配するのは、親が観たらどうするだろうかということだよね。でも幸いにも、3人ともオープンマインドな家族や友人に囲まれていたから問題はなかった。でも、もし彼らが銀行や税務署に行ったときに相手が照れて顔を合わせてくれなかったら、その人はこの作品を観ているかもしれないね(笑)。





