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面接官が明かす「いい自己PR、スベる自己PR」

 2015年春卒業の学生向けの会社説明会が12月1日に解禁され、大学3年生の就職活動が本格スタートした。世の中に就活マニュアル本は山ほど出ているけれど、本当のところどうなのか? 特に、面接について、採用担当者たちにホンネを聞いてみた。 学生だけでなく、第二新卒や中途採用に応募する人の参考にもなるはずだ。

迷った“ふり”の演技で難問に対抗!?

就職活動,面接,事故PR 面接官は、応募者に質問を投げかけて、その答え自体よりも反応の仕方を見ている。 「いかに持っているネタを準備していないふうに喋れるかが鍵。難しめの質問に頭をかきむしって迷った様子で答えた学生がいたのですが、内定後に聞いたら演技だったとか。学生はそれくらいの“企み”ができてもいい」(30代・商社)と、作戦で攻める手段もある。  もちろん企業も、浅い学生を見抜くため、さまざまな角度で質問を投げかける。 「自分の苗字の由来を質問します。身近なもののルーツ探しをしているどうかで、知的好奇心があるかがわかります」(30代・新聞社)と深みを探る質問もあれば、あえて浅いことを聞いて素を見ようとするパターンも。 「彼女がいるかを聞きます。それをどう嫌みなく返せるかにその人の人間性が出る」(30代・商社)

知識よりも好奇心を見ている

 ほかにも「好きな広告はある?と聞くと、多くの学生が、知識を問われているのだと思って、焦ったり、自分の覚えているコピーをひたすら羅列したりします。でもそんなものは必要ない。僕たちは、その広告から、社会をどう見ているのかを探っているのです」(30歳・広告)  という、質問の求めているものにうまく答えられないミスマッチもあれば、 「サークルの部長になったという“結果”だけをアピールする学生が多いですが、私たちはそこに至るまでの“経緯”が知りたい。みんなに信頼されて部長になったとか、経緯のなかには、きっとその人の魅力が隠されているはず」(27歳・ブライダル)  と、せっかくのアピールの機会をみすみす逃しているパターンも。  普段は接点がない会社員と学生が話をするのが面接。うまくやりとりが進まないことが多いため、こんなアドバイスも。 「自己PRのときによくあるんですが、いきなりサークルの話などをされても、背景がわからなければこちらは理解できない。まずは面接官と学生の間に共通認識をつくり、わかりやすい言葉で話してほしい」(33歳・外資系コンサル)

今、優秀な学生は自分と社会を結びつけて語る

 それでは結局、内定を取れる優秀な学生とはどんな学生なのだろうか。 「正直、顔です。営業力が必要なのでルックスは重要な要素です」(30代・芸能事務所)という身も蓋もない意見もあったが、それは一例。 「何かしらの成功体験があると注目してしまうのは確か。『成功事例は再現される』という考え方で採っている」(30代・エンターテインメント業界)、 「成功体験は、その大きさよりも、成功理由を理解できているかが重要。自分でわかっていれば、入社後も生かせる」(30代・ゲーム)といった、過去の成功体験への需用は確かに存在する。だが、最近の優秀な学生はそれだけではないようで……。 「自分の資質だけを主張する学生が多い中、その資質をどう社会で生かせるかまで考えが及んでいると目を引く」(50代・新聞社)  このところ、社会的起業がブームとなり、若者の社会貢献意識は強い。 「優秀な学生は、この2、3年、社会貢献を強く求めています。自分がやりたい方向で国をよくしたいと言う。会社なので、利益を出そうとする意識も合わされば評価は高い」(33歳・外資)  かといって、これを読んで、すぐにボランティアに行けばいい、という話ではもちろんないので、学生の皆さんはご注意あれ! <ILLUSTRATION/Aleksey Abramkin> ― 就活本ではわからない面接官のホンネ【2】 ―
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