“よき夫・よき父親”でいなければ、というプレッシャー?
こうした問題の背景について、男の生きづらさを研究する男性学の専門家・田中俊之氏は、「雇用状況は悪化しているのに、
“男は一家の大黒柱であるべき”というプレッシャーはそのまま。さらに、子供や親をケアする役割までが求められるようになってきた」と、男性の果たすべき役割が増えすぎている実情を語る。
これは、仕事と家庭の両立への苦しむ、共働き家庭の妻の悩みにも通ずるような……。
また、『母という病』『父という病』の著者で精神科医の岡田尊司氏は、「仕事で父親が不在の家庭に育ち、母親とべったり癒着して親離れできないまま成長した男性は多い。正しい父性を知らずに“あんな父親になりたくない”と否定的な父親像を反面教師にして、
“よき夫・父親”の重荷を背負いがちになる」と指摘する。
実家トラブルも、この親子関係の問題が大きく影響しているという。
数多くの毒親や共依存家庭のカウンセリングを実施してきた信田さよ子氏によると、「親からの支配を断ち切れないまま、
自立できずに過干渉を受け入れてしまっている30~40代は多い」のだとか。
もし、あなたのダンナがなぜか鬱々としていたら、そんなプレッシャーに折れそうになっているのかも?
次回、実施したアンケートの詳しい結果とともに家族に疲れた夫たちの実態に迫る。
※全国の都市部で暮らす30~49歳の既婚男性(正社員・契約・派遣・公務員)に調査。2000人アンケートで「家族に疲れた」と感じたことがある1180人(59%)から無作為に500人を抽出し、その原因について詳しく聞いた。
―家族に疲れた症候群【1】―