次いで多く寄せられるのは、上司からのパワハラなど、職場の環境問題。
さらには、介護施設の入所者や保育施設の園児に対する虐待・事故の隠ぺいなど、施設で起きた”事件”に関する相談も多いそうなのです。
「介護の現場では、
職員のミスや虐待によるケガをなかったことにしてしまったり、事故死であっても老衰にしてしまうという告発もありました。
保育施設であれば、先生が子どもを差別したり暴力をふるうケースも。また、アレルギーのある子への配慮不足による事故といった例も多いです。しかもこれらは、事故報告せずにうやむやにされてしまうのです」

介護・保育ユニオンHP http://kaigohoiku-u.com/
こんな実態を目の当たりにしても、声を上げればリストラやパワハラに遭う…そして悩んだ末にユニオンに相談へ訪れるという介護士や保育士たち。こんな問題が起こるのはナゼなののでしょうか?
「労働基準法すら守られていない職場で、働き手に余裕がないために、事故が多発している現状があると思います。
また、職員の数が増えるほど経営が厳しくなりますから、基準ギリギリの人数しか雇わなくなる。すると、職員にかかる負担が増え、そのストレスが虐待などの問題行動に走らせるのではないでしょうか」。
介護や保育の仕事をしたいという純粋な気持ちが、ひどい労働環境のなかですり減って、経済的・精神的に追い詰められた末に、事故や虐待などを生んでしまうという悲劇…。
これでは、私たち利用者の側も、子供やお年寄りを預けるのが怖くなってきます。
「働く人が声を上げることで環境は変えられます。私たちユニオンは、プライバシーはしっかりと守るので、どんな小さなことでも相談してほしい」と、森さんは言います。
もちろん、問題のある介護・保育施設ばかりではないでしょう。けれども、問題が多い施設がかなりの割合で存在するのも、また事実なのです。
次回は、保育士・介護士のユニオンメンバーに、その実態をインタビューします。
●介護・保育ユニオン⇒http://kaigohoiku-u.com/
TEL:03-6804-7650
Mail:contact@kaigohoiku-u.com
<TEXT/千葉こころ PHOTO/naka、takasu>
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自由とビールとMr.Childrenをこよなく愛するアラフィフライター&編集者。
人生後半戦も夢だけは大きく徒然滑走中