孤高率を高めるかのように、LINEをしていない安藤さん。周囲から何度勧められても絶対にやることはないと断言。その頑なさは一体？ 「メールがあるからいいんじゃないですか。あれって既読マークがつく、つかないでモヤモヤするんですよね。私、最近電話がかかってきても気分じゃなかったら出ないこともあるくらい人付き合いが悪いんです。（笑） 　人ってね、ひとりじゃいられない人とずっとひとりで居たい人と2パターンだと思うんです。だとしたら私は断然、後者です。ひとりが一番楽」 　でも、このまま行くと男性はおろか、友達さえも失ってしまうのではないかという危惧は本人にないのでしょうか。 「……あるっちゃー、ありますよ。でも友達がいないならそれでも平気です。外食もしなくなるから、そのぶん舞台を観に行ける回数も増やせますし。もう結婚ができないだろうな、っていう自覚は持っています。だから父とふたりで暮らしている実家をもらって、最終的にはここを売って老人ホームに入る予定です。金銭的な面で不安がないから男が必要ないのかもしれないな」 　美容師らしく、ツヤのあるヘアカラーにおしゃれなコーディネート。色白で手の行き届いた申し分ない見た目なのに、彼女の心はいつだって舞台の上なのです。 「向こう1年間は観劇できるようにもうチケットはキープ済みです。普通の人には私のこの枯渇した心を満たせるものは持っていないんだろうなぁ。もしいたら紹介してほしいくらいですよ。 　それからね、三浦大知って知ってます？ アーティストなんですけどね、最近彼にもハマっちゃって速攻でファンクラブに入りました。ライブは欠かさず行ってます。え？ もちろんひとりで出かけていますよ」 ※「第15回出生動向調査」。2015年6月に自計式調査を行い、回答者のうち18～34歳の独身の男女5276人を集計。交際相手がいない割合は、男性69.8％・女性59.1％だった。2010年調査と比べて、男性＝8.4ポイント増、女性＝9.6ポイント増と、急増している。 ＜TEXT／スナイパー小林＞ ーシリーズ・急増する「恋人がいない」男女の肖像【9】ー