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激務で「自殺も考えた…」と介護士。入居者を怒鳴りつける戦場のような介護現場

 介護を必要とするお年寄りに寄り添い、身のまわりの世話をする介護士。高齢化によって需要が高まる一方で、慢性的な人手不足から過酷な労働を強いられている人も少なくないそうです。

 フランチャイズで全国展開するデイサービス施設Sで働いていたトモエさん(仮名・28歳)は、劣悪な労働環境によって心身のバランスを崩し、問題を抱える介護士や保育士を支援する団体『介護・保育ユニオン』へ声を上げたひとり。1年半勤めた現場の状況を伺いました。

「入居者を人として扱わない」介護施設の実態



激務 ヘルパーとして働く母親の姿に感銘を受けて、中学生のころから介護士として働くことを夢みていたというトモエさん。一心にその道を目指して資格を取得し、念願の介護士ライフをスタートさせました。

「入居者数が10名ほどの施設だったので、和気あいあいとした環境で一人ひとりに寄り添った手厚い介護ができると期待に胸を膨らませていました。でも、その理想は勤務初日で打ち砕かれた感じです」

 表向きは4人のスタッフが常駐していると謳っていたのに、実際の現場は2人ほどのスタッフで全入居者の対応に追われるという状況。ひとりで5人近い入居者を介助しなければならず、「戦場のようでした」とトモエさんは言います。

「先輩スタッフはまるで流れ作業をこなすかのように入居者に接していて、例えば入居者のかたが『トイレに行きたい』と言っても『オムツにしてよ!』と怒鳴りつけるなど、言葉の暴力も日常的におこなわれていました」

 リハビリを兼ねて歩かせたい入居者も寝かせっぱなし、「喉が渇いた」など入居者の要求にも「今忙しいんだから!」「うるさい! 黙ってて!」と一喝して耳を傾けることはなく、先輩スタッフの対応は「人として扱っていない」と感じるほどだったといいます。

 状況を改善しようと相談しても、「あなたの理想はわかるけど、人手が足りないんだから仕方がないでしょ。じゃあトモエさんがもっとシフト入れば?」と返されるだけ。

 上層部へスタッフの増員をお願いしても、「求人を出しても集まらない」「派遣はお金が莫大にかかるから払えない」などと取り合ってもらえず、「今の人数でも回ってるんだから大丈夫でしょ」と、増員の意思がないことを感じさせる返答もあったそうです。

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自殺願望を抱くほど追い詰められた環境

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