「“一生女だもん”に、げんなり」。グサッとくる林真理子のお言葉集
「週刊文春」で30年以上に渡ってコラムを書き続けてきた、作家の林真理子。その膨大な文章から、男女や人生にまつわる126の格言を集めた『賢女の極意』が発売されました。
名言集となると少し構えてしまうかもしれませんが、本書にそんな心配はご無用。気楽に読むのもよし、ふと立ち止まって考えるもよし。
というわけで、ほんのさわりですがいくつかご紹介しましょう(< >は引用)。
名言①「一生女だもん」だと。げんなりしてしまった。
そこそこの年齢の人が、そう話している場面に出くわしたのでしょうか。よく耳にするフレーズなのですが、林さんはそこに甘えを見逃さないのですね。
<一生女のはずはない。当然期限というものはありますよ。私は良識はないけど、多少の美意識はありますから。>
期限という時間的な問題もさることながら、“女であるかどうか”を決めるのは自分ではなく他人だと認識しなさい、ということなのだと思います。「一生女だもん」が放つ腐臭は、他者の視線を無視するデリカシーのなさから生まれているのかもしれませんね。
名言②エステとダイエットは年増の最後の幻想であり夢である。
自らもダイエッターで、数々のエステやコスメを試してきたからこその説得力。グサっときちゃった人も、以下の説明で冷静さを取り戻しましょう。
<努力しているという昂揚が、いつしか若さをも取り戻せるのではないかという思いにいきつくのだ。>
加齢に対抗して努力をしたところで、むしろ問題の本質から遠ざかっていくだけなのではないでしょうか。大事なのは、いつまでも若くいることでなく、清潔に老いていく覚悟なのですから。
名言③野心を持つということは本当に苦しくつらい長い戦いだ。
“下流社会”だとか“マイルドヤンキー”なるワードも当り前になった今日この頃。学生時代からずっと同じ友だちと同じように遊び語らい“絆”を確かめ合うのも、それはそれで楽しいかもしれません。
ですが、それは人生における重要な課題から逃げているだけではないだろうか? 現代の若者に改めて疑問を投げかけるフレーズです。
女について
生きることについて
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『賢女の極意』 「週刊文春」の連載といえば、林真理子さんの「夜ふけのなわとび」が筆頭に挙がります。なにしろ、最初は「今夜も思い出し笑い」としてはじまった当連載は、最長不倒、30年を越える名コラムなのです。折につけ、事件につけ、書かかれたものもそうですが、日々の生活について綴られたものの中にも、鋭い洞察の山、山、山。そこはまさに、マリコの金言・名言ワールド!それら膨大な名言を以下のように編み直してみました。 |