DeNAだけじゃない、300円でパクリ・嘘記事を書く“ブラック内職”の実情
女性向けサイトで“ひとり勝ち”と言われていた「MERY」が、まさかこんなことになるなんて…!
DeNAは12月5日、運営する全キュレーションメディアを非公開にすると発表しました。12月1日に非公開にした9メディアに加え、唯一残した稼ぎ頭の「MERY」も7日をもって非公開にするというのです。
BuzzFeed News、11月28日)。
「Mery」についても、「文章や画像を盗用された」という声が、ネット上でも筆者の周りでもありました。
ところがDeNAに限らず、クラウドワーカーにいいかげんなパクリ記事をせっせと量産させているサイトは、山ほどあるのです。
クラウドワーカーはプロから全くの初心者まで、さまざま。「クラウドワークス」「ランサーズ」「シュフティ」といったクラウドソーシング会社に登録して、クライアントが募集している仕事を引き受けます。
うまく機能している職種もあるのでしょうが、記事作成に関しては完全にスラム化しています。ギャラ相場は1文字1円以下。1記事数百円のギャラで嘘記事やパクリ記事を量産させる、ブラック内職だらけです。
そしてワーカーの結構な割合が、結婚や出産などを機に在宅で働く女性たち(※)。胸が痛みます。
赤ちゃんを抱えて、クラウドワーカーとして記事を書いたことがある知人は、こう言っていました。
「ネットで調べて1000字とか書いてると、1時間ぐらいかかっちゃうんです。それでギャラは300円とか。袋貼りとか造花作りの内職よりヒドいんじゃない?」
ある女性サイト運営者は、「恋愛ノウハウとかはね、クラウドで田舎の主婦が妄想で書いてんの」と笑っていました。
(もちろん、プロのライターや筆者にきちんと頼んでいるサイトもたくさんあります。ちなみに女子SPA!は、クラウドソーシング会社の営業を受けてお試しで3記事書いてもらい、こりゃダメだと思ってやめました)
クラウドソーシング会社のサイトで「仕事を探す」を見ると、そのブラックぶりが一発でわかります。キュレーションサイト、ニュースサイト、口コミサイト、企業サイトなどが書き手を募集しており、その件数は「ランサーズ」だけでも29万4000件!(12月5日時点、「記事作成・ブログ記事・体験談」の項)
まず、多いのが「リライト」という仕事です。下記の募集には、堂々とこう説明されています。
「こちらでリライトする記事を提示しますので、その記事をリライト(改変)してwordpressに書いていただきます。
元記事の単語を入れ替えたり、修飾語を加えたりして改変していく作業です」
このテのお仕事、山ほどあります。要は、googleにコピペとバレないように記事を量産する仕事。「提示したURLをもとにリライト」と、他サイトからのパクリ臭がプンプンする発注も多数あります。
仕事を受けるまでクライアント名がわからないので、やりたい放題ですね。
⇒【画像】はコチラ https://joshi-spa.jp/?attachment_id=628717
上記は大量の仕事を発注している“2ちゃんねる系まとめサイト”。ここは画像やWikiからのコピペ(1記事50円)や、原稿チェックもクラウドで募集しています。
一番のけぞったのが、「借金・債務整理に関する体験談(架空でも構いません)」という仕事。借金で悩み抜いている人が、妄想体験談を読まされたんじゃたまったもんじゃありませんね。
他にも「婚活アプリを、使った女性目線で紹介する」という募集は、「男性でも応募可。モテる女性のキャラで書いてください」など、体験してない体験を書くお仕事が満載。
発端は、同社の医療情報サイト「Welq(ウェルク)」が、デタラメな記事を1日100記事も公開していたことです。ユーザーが投稿していると見せかけて、実際はDeNAが「クラウドワーカー」と呼ばれる素人ライターに発注し、他サイトからの盗用を推奨するようなマニュアルがあることも発覚(1文字1円以下!“ブラック内職”だのみのネット界
コピペとバレないためのリライト1200字・300円~
体験談(架空でもOK)1500文字・1000円
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