気を取り直してセックスの続きをし、発射までしました。申し訳ないと思いつつもギャラをもらい現場を後にし、車で帰路につきました。何年も毎日往復した通い慣れた道です。途中の幹線道路手前で渋滞が発生するポイントがあり、この日も巻き込まれました。ノロノロ進みながら「はぁ～、今日はダメだったなぁ」と反省しつつも、また睡魔が襲ってきました。そして一瞬で落ち、気がついた時には前の車に突っ込んでいました。それほどスピードが出てなかったのもあり、前の車に乗車している方に怪我はなかったですが、後ろのナンバーはガッツリと折れ曲がっていました。 　この日の顛末を、男優仲間のしみけんは「森林くんはオカマに掘られた日におカマを掘った」とネタにして話すのですが、当の本人としては今思い返してもゾッとするし、ほんと申し訳ありませんでしたという気持ちでいっぱいです。 　といった僕の失敗談を長々と話しましたが、何が言いたかったかというと、睡眠欲と性欲がシーソーゲームをし、睡眠欲が勝っちゃう時というのは、社会生活を送る人としての限界を超えているんだよということです。彼氏がどんな仕事をしたりどんな生活を送っているのかわかりませんが、疲れはヤバいぐらいピークに来ていると思います。そんな中、付き合いたてのかなこさんと会い、セックスしたいと思っているのですから、体を心が追い越しているのです。ですから、かなこさんが落ち込む必要はないのです。 　というのが一つ目の見解で、もう一つ別の見解が僕の中にはあります。それは、彼氏はかなこさんに飽きているのではなく、セックスそのものに飽きているという可能性です。