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斉藤由貴の目の演技がコワい!NHKのホームドラマは“毒母”サスペンス【金曜ドラマ】

スナイパー小林の2017冬ドラマ評 金曜編1】  2017年の冬ドラマが始まった。今クールの作品「お母さん、娘をやめていいですか?/NHK総合」と「就活家族~きっと、うまくいく~/テレビ朝日」は、家族の闇がシンクロしていた。本音も言えない肉親同士の話がドラマのネタになるとは、寂しい時代になったものよ……。今回は金曜放映の2作品をピックアップ!

娘依存が愛情を通り越してもはや恐怖

お母さん、娘をやめていいですか?

『お母さん、娘をやめていいですか?』公式サイトより http://www.nhk.or.jp/nagoya/okamusu/

●お母さん、娘をやめていいですか? NHK総合 金曜22時~ 出演:波瑠、斉藤由貴  早瀬美月(波瑠)は実家から仕事に通う25歳の英語教師。母親の顕子(斉藤由貴)とはなんでも気が合う、親友のような関係……というのは建前で、顕子の一人娘に対する依存度は高い。社会人になった娘の仕事の相談にもとことん口を出して、将来は同居の予定。一方、美月はどこか母親の顔色を伺って本音を出し切れない部分があり、円形脱毛症で悩んでいることを口に出せずにいるのだった。  一日中娘とLINEメールを送り合い、娘のデートもきっちり尾行する。そんな顕子の決めぜりふは、「ママの言う通りでしょ」。初っ端から、日常のシーンなのに奇行を見ているような感覚に陥った。これはホームドラマを超えてサスペンスだと思って視聴するのがお勧め。  娘に依存する顕子もまた、介護施設に入居している自分の母親から依存されており、「(顕子の兄弟にあたる)息子はダメよ、お嫁さんの言いなり!」と愚痴る母親の圧を一身に受けている。こういうことは母から娘へと受け継がれるものだろうかと、ちょっと我が身を振り返ってしまった……恐怖。  こういう闇のある役をやらせたら、やはり斉藤由貴はハマる。妙な自信を持っているとか、瞳孔を思い切り開く演技は彼女の右に出る者はいないだろう。柳楽優弥が波瑠の恋のお相手役。エキセントリックな役柄が印象的なだけに、普通のサラリーマン役が新鮮なんだな。
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深キョンの洗練されたバカっぽさ
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