『充電させてもらえませんか?』の最大の見どころは、やはり出川を見つけて押し寄せるシロウトたちとのやり取り。その際、出川が最も多くリクエストされるのが、“ヤバイよヤバイよって言って”というやつ。

『イッテQ! エブリデイ出川語録』
ここで注目したいのは、出川のテンション。すぐに“ヤバイよヤバイよ”とやってあげるのですが、これを100%の力でやらないのですね。むしろ、
機械的で事務的に処理する。
モノマネされるケースの多い出川ですが、その過度にデフォルメされた部分をそぎ落とした“ヤバいよヤバいよ”であり、“リアルガチ”なのです。
つまり、“出川哲朗”という人様から笑われることで成り立つキャラクターを、素の出川が冷静に操作し直して笑わせているわけです。でもそこにずる賢さを感じさせないのがスゴい。流れ作業みたいな“ヤバいよヤバいよ”でもケラケラと喜ぶ子供たちにとって、出川哲朗は“笑われる”対象のままであり続けるのですから。
出川哲朗は日本的お笑いのひとつの到達点なのかもしれません。
NHK『ブラタモリ』の裏番組ということで、「
タモリさんをぶっ倒します!」と宣戦布告した出川。視聴率はどうか知りませんが、個人的には『充電させてもらえませんか?』の圧勝だと思うのでした。
<TEXT/沢渡風太>