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結婚への甘い幻想をブッ壊す、柴門ふみの言葉が身にしみる

夫はいい人でも、結婚生活の不満は別問題

夫婦は理解しあえるの嘘」では、女性側のあるあるエピソードが満載です。  妻が「風邪で寝込んでいるから」と子供達の夕食を夫に頼もうとすれば、「俺、ひとりで外食してくる」と夫の返答。妻と夫の小さなズレですが、ズレも積み重なれば大きな爆弾。自ら爆発させないためにも、妻の機転と智恵と諦念が必要となってくるのです。 「確かに夫はいい人です」と柴門さん。「私の仕事を尊重し、家事の仕方に文句も言わず、一緒に過ごす時はいつも上機嫌」。しかし「夫がいい人であることと結婚生活の不満は別問題」と断言しています。 花嫁 結婚によって、女性の生活や人間関係は目まぐるしく変わり、女性はその都度、人間的成長を余儀なくされます。片や男性は、夫となっても日常にはさほど影響がないように思います。もちろん、夫にも苦労はあるでしょうが、家庭内において夫はある意味で鈍感な生きものでしょう。  結婚と幸福を結びつけるのは、嘘かもしれません。とはいえ、夫の不平不満を口にしながら夕方になれば「夫が帰ってくるから、夕食の支度しなきゃ」と帰路に着くのは、嘘という材料を調理して幸福に変える術を会得したからだと思えてならないのです。 <TEXT/森美樹> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
森美樹
1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)を上梓。Twitter:@morimikixxx
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