店探しが難航しているのは“掛け持ちキャバ嬢”も同じだ。ミユさん(23歳・仮名)は、トリマーになる夢を抱いて上京し、ペットショップのアルバイトとキャバクラを掛け持ちしていた。
閉店後はキャバクラの派遣会社に登録したが、すぐに辞めてしまったという。派遣を依頼する店が当日まで分からず、希望するシフトで働けないからだ。

「日払いで欲しいので、今は個人経営のスナックを手伝って日銭を稼いでいます。スナックはキャッチにも出なきゃいけないし、飲まされるからあまり出勤したくないんですけど…」
ママが不在の時は1人で接客することもある。酔っぱらった客のセクハラにも1人で対応しなければならない。また、営業時間が長いのでペットショップのアルバイトにも支障が出るという。「キャバクラが1番ラクだった」とミユさんはこぼすが、現実は厳しいようだ。
「何軒かたらい回しにしたあと風俗を紹介する」とスカウトマン
「今回潰れた店は、そこそこ老舗の大型店でした。常に多数のキャストを揃えていた店なので、女の子のレベル関係なく誰でも働ける店だったんです」
そう話すのは、大阪で水商売と風俗を専門とするスカウトマンだ。

「閉店して、在籍していた女の子達から次の店探しを頼まれたんですけど、他の店で使えそうな子は1割くらいしかいなかったですね。売上げがある子や若くて顔がキレイな子なら、いくらでも紹介できますけど、問題はそうじゃない子。
そういう子達はあえて厳しい店に紹介します。どうせ続かないので
何軒かたらい回しにした後、セクキャバ、風俗と薦めます。最初から風俗に連れてくよりも、キャバクラで通用しないことをわからせてから紹介するほうが、長く働いてくれます」
本気で働く気がある子でないと、今の水商売は難しいという。
「『誰でも働ける店』だったからこそ、閉店してしまったのだと思います。現に歌舞伎町などの都心部を除いて、キャバクラは減り続けていますね。もう昔みたいに
誰でもキャバ嬢になれる時代ではないんですよね。30人のキャバ嬢のうち、新しい店に移れたのは半数にも満たないんじゃないですか」
キャバクラ嬢の一寸先は闇…夜のリストラは、思った以上に深刻だった。
<TEXT/カワノアユミ>