『結婚』より
――今回の作品は、ピアノを演奏されたり社交ダンスを踊られたりするシーンもあって、ディーンさんの魅力が存分に堪能できます。ディーンさんのイメージビデオのようだといっている人もいます。
ディーン:あはは。西谷真一監督がどういう意図で作品を撮っていったかは僕の計り知れないところですが、結婚詐欺師は、ひとりひとりの相手によって、職業や性格、スタンスが違うわけですよね。そこのバリエーション、変化を見せるということで、いろんなことにトライしてもらいたいということは最初の段階から説明を受けていました。なので、自分ができる範囲で、もしくはできないことでも練習して成立させるということに対しては、すごく前向きなチャレンジをしていきました。
『結婚』より
――40代、50代と年齢を重ねていくうえで、どんな俳優、もしくはどんな男になっていきたいですか?
ディーン:器の大きな男になりたいです。特定のコミュニティとかカテゴリーとかジャンルにこだわらずに、とにかく大きく広がっていきたい。物事を発信することも、出会いの場を求めていくことも、何をやるにしても、そこは大事にしていきたいと思っています。
『結婚』より
――カテゴリーやジャンルにこだわらないという点は、これまでのディーンさんの姿勢からも感じますが、今後も活動の場も、国もこだわらず、ですか。
ディーン:そうですね。
――本作にはさまざまなタイプの女性が登場します。女性っておもしろいな、不思議だなと感じましたか?
ディーン:登場した女性というか、共演した萬田(久子)さんが、「女は騙されてやってるだけなのよ」っておっしゃってたんです。実際は結婚詐欺師の被害者じゃなくて、女が騙されてあげてるんだって。そういう考えもあるのか、すごいな、奥深いなって思いましたね。
『結婚』より
――最後に、役者としてこういう面を見せていきたいといったものはありますか?
ディーン:僕、役者の仕事に関してはすごく受け身なんです。何もやらないという意味ではなくて、オファーいただいたものを受けて、全力で応えるというスタンス。フィルムクルーの一員として、監督やプロデューサーの作りたい作品作りのお手伝いをさせてもらいたい。期待に応えられるパフォーマンスを、どこの国でもどんな作品でもしていきたい。役柄がどうとかじゃなく、新たな気づきを感じられたり、人との出会いや縁といったものをひとつひとつ大事にして今後もやっていけたらと思います。
<TEXT&PHOTO/望月ふみ>
『結婚』は6月24日より全国公開中
配給:KADOKAWA
(C) 2017「結婚」製作委員会
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。
@mochi_fumi