――嫌われるといえば北条さんの最新作へのアマゾンのレビューなども、厳しいコメントが目立ちました。
北条:賛否両論の差が大きいと感じています。“否”のほうは「そもそも読む価値すらない」と思っていらっしゃるみたいです。私が炎上した過去を知っていらっしゃる人から見ると、表紙やタイトルに“地雷臭”が漂っているのかもしれません。
帯の裏面に書いてあるキャッチコピーも過激なんでしょうね。「何気ない、悪意のない一言が、なぜ怒りを買ってしまうのか?」ですから。アンチ北条の方は「
お前だからだよ!」と、総ツッコミしていると思います。確かにタイトルだけを見ると手にとってもらいづらいと思うんですけど、手にとってくださった方は意外とご自身と重ね合わせてくださるみたいです。
yu:読むまでは批判的でしたが、タイトルと中身のギャップが激しいんですよね。ギャップといえばかやさんとやり取りしていても攻撃的な面って全く見えてこないんです。メッセンジャーで話すときも、直接お会いして話をするときも。でも、
ツイッターを見ると攻撃的な内容を書いている。
それって意図的なのか、ストレスのはけ口としてツイッターを使っているのか、どちらなのかをずっとお聞きしたくて。
北条:大学4年生のときにツイッターを始めたんですけど、最初につぶやいた内容が「眠れない」でした。当時は鬱っぽくて、よく眠れなかったんでしょうね。今の自分が当時の自分の横にいたら「メンヘラな気分を加速させる書き込みなんてやめろ!」と止めると思うんですけど(笑)、ツイッターってネガティブなことを吐き出しやすいんですよね。
しかも、
ネガティブなツイートをしたほうがフォロワー数が増えるという、歪んだ学習も同時にしてしまいました。加えて怒りを大げさなぐらいの文章で表現するほうが哀しいかな、自分には合っていたんです。そういうツイートばかりしているうちに「攻撃的な人」というイメージが定着してしまいました。

北条かやさん
――その攻撃的なイメージに悪印象を抱き、最新作を攻撃する人もいるようですが、「スクールカースト」の章は共感した人もいたとか。
北条:スクールカーストの苦労を味わわなければ、今ごろもっと幸せな人生を歩んでいたんでしょうね……(笑)。今まであまり自分の人生を語る機会がなかったのですが、たぶん誤解されている部分がたくさんあると感じていました。その誤解が炎上につながりましたし、自分も甘かったと痛感しています。
だから、昔のダメな自分を克服するために、間口を開け広げようと思ってこの本を書きました。炎上から1年ぐらい経過してはいるんですけど、ずっと口をつぐんでいると逃げたままになってしまいます。ネット上での議論は本当に不得意なので、一度まとまったコンテンツにすれば自分の中でも消化できるかなと思ったんです。……思ったんですけど、心の根っこではまだ答えが見つかっていません。
yu:私はタイトルには共感できないですが、言葉の意味自体は理解できます。かやさんと出会った頃、私はネットではそれほど叩かれていなかったんです。だから、かやさんが病んだ経緯を知っても「なんでそこまで病むの?」と他人事でしたけど、実際に自分に降りかかってきたら、かやさんのご著書の意味を痛感したんですよね。
次回は取材や恋愛相談、実生活で感じた「女性の生きづらさ」について語ります。
ー北条かや×yuzuka対談 vol.1ー
<構成/内埜さくら 撮影/難波雄史>