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愛しすぎる“ダメ飼い主”度チェック「ウチの子は幸せ?」

akk_rus 家のドアを開けた瞬間、「待ってたよ!」とばかりにしっぽをフリフリ出迎えてくれるイヌに心癒されたり。些細なことに悩んでいるとき、の~んびり毛づくろいをするネコに勇気づけられたり。

「一人暮らしの女性がネコを飼うと婚期を逃す」なんて言う人もいるけれど、「ウチのコは大切なパートナー、家族なんです!」とペットを可愛がる女性は多いですよね。

 しかし、相手は物言わぬ動物。

「互いに癒し癒される関係」「うちのコは幸せ♪」だとあなたが思っていても、果たして、相手(ペット)がそう思っているのかどうか……残念ながら別のお話なのです。

 では、以下の10のシチュエーションで当てはまるもの、あるいは「気持ちはよくわかる!」というものを選んでください。

1.イヌやネコはもちろん、カメやトカゲ、ヤモリもスキンシップが愛情を育む

2.定期健康診断を欠かさずにしているので、ウチのコは健康だ

3.やっぱり手作りがいちばん。愛犬のエサは愛情いっぱい無農薬野菜の手作り

4.うれしそうな姿が見たくて、人の食べ物をあげてしまう

5.病院へ行く時間がないけど心配なので、電話で対処法を聞く

6.病気の可能性や他の子に迷惑をかけることを考えると、避妊手術しない飼い主がいるなんて信じられない

7.清潔は健康への第一歩。耳掃除が毎日の日課です

8.うちのコは薬嫌いで、無理矢理飲ませるのはかわいそうだから、薬を少なくしてと獣医さんにお願いしている

9.最期までお金も時間も惜しまないので、1日でも長くいきてほしい

10.うちのコは我が子同然。最期に苦しい姿を見る勇気がありません


 もし、半分以上当てはまったら……あなたの愛情はTOO MUCH、あるいは一人よがりになっているかも。

 もし、あなたのコがしゃべれたならば、「お前、重いんだよね」なんて、言われるタイプかも、しれません。

“幸せ”はあくまで人間の価値観



 哺乳類からヘビやカメなどエキゾチックアニマルまでを診療対象とする獣医師田園調布動物病院の田向健一院長はこうお話ししてくださいました。

「例えば、エサについて言えば、ペットフードはメーカーの研究所が何年もかけて栄養バランスを研究し、基準を満たしているものです。獣医としては、中途半端な知識に頼った“愛情”いっぱいの手作り食より、ペットフードのほうが安全性に根拠がある、という指導をせざるをえません。

 また、お薬が嫌いというコは多いですが、薬を飲ませずに病気が治らないほうがかわいそうではないですか?

 “幸せ”というのは、どこまでいっても人間の価値観です。イヌは大変感情豊な動物なので、飼い主さんからひどい扱いを受けたら“悲しい”顔をします。しかし、それは『俺は不幸だ』と思っているわけではないでしょうし、ネコやウサギが、イヌと同じレベルの『悲しさ』を感じるかどうかわかりません。また、一匹で飼われているカメが『寂しい』『孤独だ』とは思っているとは思えません(野生においてカメは単独生活をします)。

 動物はどんな状況においても自分のことを「不幸」だとは思わないと思います。

 結局、ペットにとって何が一番幸せかを追求すると、生物学や動物学から学ばなくてはなりませんし、それは実際のところ、あなたがペットに求めるものとはまるで異なる可能性もあります。

 人間は社会的動物ですから、同情したり、嫉妬したり、愛したりする感情を持ちます。その感情を動物に投影するのは必ずしも悪いことだとは思いません。しかし、『私は愛にあふれた飼い方をしているからウチのペットは幸せだ』と思っていて、それが間違っていたら……それこそがなによりの問題ではないかと思うのです」

 “相手のため”だと思ってしていたことが、突き詰めてみれば、実は“自分のため”の行動にすぎなかったなんてことは、動物相手ではなくても実はよくある話ではないでしょうか。ひょっとしたら、「わかりあえない」という謙虚さを前提にして向き合うくらいが、いい塩梅、なのかもしれません。 <TEXT/小山武蔵 photo by akk_rus from Flickr>

※上に上げた10の問いに対しての解説は、田向健一先生の著書『珍獣ドクターの動物よろず相談記』(河出書房新社)、『珍獣の医学』(扶桑社)に詳しく紹介されています。

珍獣の医学

現役獣医師が多様化するペット医療の知られざる現場を描く

“珍獣ドクター"の動物よろず相談記

動物病院に届いたみんなの悩みに、珍獣ドクターが痛快回答




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