でも、仕事はできない、空気を読めないRちゃんがなぜ他の女性キャストから嫌われないのか?
一度、先輩がRちゃんの空気の読めなさに対して注意したことがありました。「最近の子は、怒ると急に来なくなったりするけど大丈夫か?」と思う周囲の心配をよそに、Rちゃんはまったく悪びれる様子もなく言ったのです。
「なんか私、みんなに甘やかされてる気がします~!」
この子、全然反省してない…! 先輩は大きなため息をつき、それ以来注意しなくなりました。この日以来、Rちゃんはなぜか許されてしまうキャラになったのです。「
ぶりっこするなら、天然に見えるほど徹底してやれ」という教訓かもしれません。
Rちゃんが憎めない理由は他にもありました。ある日、出勤したRちゃんが「お客さんに、ゆかた買ってもらいました~」と他のキャストに話していました。「休みの日に一緒に祭り行こうって誘われるんじゃないの?」と口を挟むと、Rちゃんは「お祭りくらいなら、別に行ってもいいかな~」とあっさり言ってのけたのです。
この子は客に物を買ってもらうことに何の抵抗も偏見もないのか…。しかも礼儀をわきまえている。客にシャンパンをねだるのに見返りもくれないキャバ嬢よりは、よっぽど出来た子だなと思いました。
まだ18歳のRちゃん。年のわりには仕上がりすぎている気もしますが、今後どうなっていくのか非常に楽しみです。そこまできるのならば、お見合いとかで女慣れしていない大富豪を捕まえて結婚してほしい気もしますが…。
Rちゃんから学んだこと…「ぶりっこするなら中途半端にするな、女の前でも同じキャラを貫け」といったところでしょうか。
<TEXT/カワノアユミ>
【カワノアユミ】
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。裏モノ・夜ネタを主に執筆。海外夜遊び歴13年。参加した書籍に『
旅の賢人たちが作った最強ナビ』シリーズがある。